全国高校野球選手権大会は本日、準決勝が行われ、第2試合では沖縄尚学(沖縄)と山梨学院(山梨)が決勝進出をかけて激突する。今大会の主役となっている2年生の両エースが直接対決、沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞投手と、山梨学院の最速152キロ二刀流右腕・菰田陽生投手。世代No.1の座をかけた怪物対決が、聖地のマウンドで実現する。
沖縄尚学・末吉良丞投手「夏のてっぺんを獲れるように」
そのマウンド度胸は、もはや高校2年生の域を超えている。末吉良丞投手は初戦の金足農戦で14奪三振の圧巻の完封劇を演じると、3回戦の仙台育英戦では延長11回を169球で投げ抜き、12奪三振3失点の熱投。準々決勝の東洋大姫路戦でもリリーフで3回無失点と、全4試合に登板し防御率1.00と圧巻の投球を続けている。「絶対に先にマウンドを降りない。絶対に投げ負けない」という強い気持ちで、チームを夏は初となるベスト4へと導いた。
「チームの目標だった甲子園30勝を達成できた。その先にある夏の頂点も見えてくる。夏のてっぺんをとれるように頑張っていこうと思います」。今春のセンバツでは横浜に敗れた悔しさをバネに、この夏、大きく成長した琉球のドクターK。その視線は、すでに深紅の大優勝旗を捉えている。
山梨学院・菰田陽生投手「優勝して名前を残したい」
ネクスト大谷の呼び声は伊達じゃない。菰田陽生選手の194cm100kgの恵まれた体格から繰り出されるボールは、今春のセンバツで2年生最速タイとなる152キロをマーク。今大会も初戦の聖光学院戦で6回まで無安打投球を披露すると、3回戦の岡山学芸館戦では5回2/3を1安打無失点、打っても3安打3打点と投打にわたる大活躍を見せた。
「ベスト4で負けたら山梨学院という名前が全国には残らないと思うので、優勝して名前を残したい」。山梨県勢として夏は過去3度、準決勝の壁に阻まれてきた。その歴史を塗り替えるため、そして2023年春に続く全国制覇へ、16歳の怪物がその剛腕を振るう。プロレス団体からもオファーがあったという逸話も持つ規格外の男が、聖地の主役の座を狙う。
ライバルへの対抗心「一番の脅威」「打たないといけない」
互いに意識しないはずがない。末吉投手は菰田投手について、「投打ともに同学年の菰田選手が一番の脅威になってくると思う」と最大級の警戒を見せる。一方の菰田投手も、「コントロールがいいですし、変化球もキレている。ライバルですが、チームの勝ちが一番。打たないといけない」と末吉投手に闘志を燃やす。
センバツでは2年生の織田翔希投手が日本一となり、この世代のリーダーとなったが、この夏は織田投手が姿を消し、末吉投手と菰田投手が世代トップを目指す。ディフェンディングチャンピオンとして来年を迎えるのはどちらか、2026年ドラフト会議のBIG3の戦いもおもしろい。
末吉良丞投手 プロフィール
- 氏名:末吉 良丞(すえよし りょうすけ)
- 生年月日:2008年11月18日
- 出身地:沖縄県浦添市
- 経歴:仲西ヴィクトリーBBC(仲西小2年) – 仲西中学校(軟式野球部) – 沖縄尚学高校(2年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:175cm・89kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速150キロを誇る2年生左腕。2025年夏の甲子園では3回戦で延長11回169球の完投勝利を挙げるなど、チームを夏初のベスト4に導く。沖縄県勢として夏の甲子園での2桁奪三振&1-0完封は史上初。
菰田陽生投手 プロフィール
- 氏名:菰田 陽生(こもだ はるき)
- 生年月日:2008年12月21日
- 出身地:千葉県御宿町
- 経歴:御宿少年野球クラブ(小1) – 千葉西リトルシニア(御宿中) – 山梨学院高校(2年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:194cm・100kg
- ポジション:投手、一塁手
- 主な特徴や実績:来秋ドラフトの目玉候補とされる最速152キロ二刀流。2025年夏の甲子園3回戦で5回2/3を1安打無失点、打っても3安打3打点と活躍。中日、巨人など複数球団のスカウトから高い評価を受ける。高校通算25本塁打。











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