第32回 WBSC U-18ベースボールワールドカップで準優勝に輝いた侍ジャパンU18代表。主将としてチームを牽引した阿部葉太外野手(3年=横浜)は、決勝で敗れた直後、チームメイトと共に米国選手がグラウンドに残したペットボトルを拾い集める行動を見せた。早稲田大への進学を志望しており、次は大学代表で侍ジャパンのユニフォームを着る事を誓った。
主将として牽引、厚かった米国の壁
頼れる主将がチームを蘇らせた。1次リーグでは5試合で2安打と不振にあえいだ阿部葉太選手だったが、「結果が出ず考えすぎていたのでリセットして良い入りができた」と、スーパーラウンドでは3試合連続マルチ安打を記録。4番打者として打線を牽引し、チームを決勝の舞台へと導いた。
しかし、決勝の米国戦では198cm右腕のパワーの前に3打数無安おさえこまれた。「体格もですが、パワーに押されてしまった。2度は負けないぞという気迫も伝わってきた。野球発祥の地の強さを感じることができたので、次のステップアップにつなげたい」と、悔しさをにじませながらも、この経験を糧にすることを誓った。
敗戦後に見せた「日本らしさ」に称賛の嵐
試合には敗れたが、侍ジャパンの選手たちはプレー以外でも輝きを放った。優勝を決め、歓喜に沸く米国選手たちがマウンド付近に散らかしたままにしていたペットボトル。それを見た日本ナインは、誰に指示されるでもなく、ごみを拾い始めた。
主将の阿部選手は「日本らしく。自分の後ろの選手から、『ゴミを拾おう』と声があって、みんなで拾いました」とその時の状況を説明。この行動に球場からは大きな拍手が送られ、小倉全由監督も「正直言って、自分があの立場だったらできたかなと。今の選手、偉いなと思いました」と選手たちをたたえた。世界一の称号は逃したが、その振る舞いは世界一と称賛されるべきものだった。
大学で再び侍ジャパンのユニフォームを
横浜高校では2年生の5月に異例となる主将に抜擢され、明治神宮大会とセンバツの2大会を制した阿部主将の高校野球も終わった。
卒業後は早稲田大への進学を志望しているが、「大学でもジャパンに選ばれて、アメリカにリベンジしたい」と話した。次は侍ジャパン大学代表で、日米大学野球でその打撃とリーダーシップを発揮してくれるはずだ。
阿部 葉太 プロフィール
- 氏名:阿部 葉太(あべ ようた)
- 所属:横浜高校 3年
- ポジション:外野手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:侍ジャパンU18代表主将。走攻守三拍子そろった4番打者としてチームを牽引し準優勝に貢献。決勝戦後、チームメイトと共に相手選手が残したゴミを片付け、そのスポーツマンシップが称賛された。







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