秋季静岡県大会の3回戦が行われ、今夏の甲子園出場校・聖隷クリストファーが知徳を3-1で下し、5年連続のベスト8進出を決めた。来秋ドラフト候補のエース左腕・高部陸投手(2年)が、投げては1失点完投、打っては先制打を含む2打点と投打にわたる大車輪の活躍でチームを勝利に導いた。
粘りの130球完投、最速タイ147キロ連発
初戦の完封劇に続き、来年ドラフト注目左腕のエースが再びマウンドで輝きを放った。高部陸投手はこの日も序盤から自己最速タイとなる147キロを連発。5度の得点圏に走者を背負う苦しい場面もあったが、粘り強い投球で9回130球を投げ抜き、7安打9奪三振1失点の完投勝利を挙げた。
「前回よりフォームはまとまっていた」と自身の投球を振り返るも、4回にスクイズで許した唯一の失点には「カットボールが甘く入ってしまった。1点も取られたくなかった」と悔しさもにじませた。
打っても2打点!自らのバットで勝利呼び込む
この日の活躍はマウンド上だけではなかった。打線が苦しむ中、自らのバットで勝利をたぐり寄せた。0-0で迎えた4回1死満塁の好機に、甘く入ったカットボールを捉え、先制の中前タイムリー。さらに6回には、勝ち越し後の貴重な3点目となるスクイズを冷静に決め、2打点の活躍を見せた。
普段は打撃練習に参加していないというが、「打てる気がしなかったけど、追い込まれたのでバットを短く持ってボールに合わせた」という先制打に、ベース上では大きなガッツポーズが飛び出した。
エースの自覚「ゼロで抑えて流れを」
夏の甲子園を経験し、エースとしての自覚は十分だ。新チームはまだ打線が本調子ではなく、2試合で計5得点と投手陣の踏ん張りが不可欠な状況。「自分がゼロで抑えて流れをもってきたい」と、チームを背負う覚悟を語る。夏春連続の甲子園出場へ向け、投打の柱としてチームを牽引する。
この日は最速タイの147キロを6度も記録するなど、安定して140キロ台の球を投げる左腕、来年は沖縄尚学の甲子園優勝左腕・末吉良丞投手と共に、大いに注目されるのは間違いない。センバツでその姿を見たいが、そろそろ投球イニング数も気になりつつある。怪我なく来春を、来秋を迎えたい。
高部 陸 プロフィール
- 氏名:高部 陸(たかべ りく)
- 所属:聖隷クリストファー高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速147キロの本格派左腕。2025年夏の甲子園で初出場初勝利。秋季県大会3回戦では1失点完投に加え、先制打を含む2打点と投打に活躍。


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