秋季兵庫県大会は23日に3回戦が行われ、報徳学園が強豪の明石商を5-2で下し、ベスト8進出を決めた。投打の柱として期待される二刀流の中尾勇貴選手(2年)が、3安打の活躍に加え、今秋初登板で最終回を完璧に抑える大車輪の活躍。春夏連敗中の宿敵・東洋大姫路との準々決勝へ弾みをつけた。
3安打&3人斬り!投打で強豪対決を制す
「3番・中堅」で先発出場した中尾勇貴選手が、投打でその非凡な才能を見せつけた。打っては初回に先制の口火を切る左前打を放つと、5回にも追加点につながる右前打を記録するなど、猛打賞の3安打。「狙い通りに打ちたい場所に打てたのでよかったです」と、会心の内容に頷いた。
さらに5-2で迎えた9回には3番手としてマウンドへ。発熱の影響で今大会初登板となったが、三者凡退で試合を締めくくった。「今日は投げたかったので良かったです」と笑顔を見せた左腕に、大角健二監督も「足もあるし、チャンスメークから勝負強さもある。投手としては先発としても使える選手」と絶大な信頼を寄せた。
監督不在で生まれた自覚
チームの成長の裏には、指揮官不在の期間があった。侍ジャパンU18代表コーチとして大角監督がU18W杯でチームを離れていたが、昨秋に監督不在で初戦敗退した苦い経験が、選手たちを大きく成長させた。「大角監督がいないから負けるとは絶対、言われないように」。その強い決意が、選手たちの自主性を育んだ。帰国した大角監督も「ウォーミングアップも一つ一つの動きを全力でやっているのが伝わってきた。何をしてくれるんだろう」と、チームの変化に驚きを隠さなかった。
春夏連敗の宿敵へ「絶対に勝つ」
準々決勝の相手は、今春、今夏と決勝で苦杯をなめさせられた東洋大姫路に決まった。夏のベンチ入りメンバーには2年生が8人入っており、その悔しさを知る選手が新チームの中心を担う。中尾選手も「悔しい思いは一番強い。絶対に次の試合で勝ちたい」と、リベンジへ向けて闘志を燃やした。4季ぶりの頂点へ、まずは最大の壁を乗り越える。
中尾 勇貴 プロフィール
- 氏名:中尾 勇貴(なかお ゆうき)
- 所属:報徳学園高校 2年
- 出身:兵庫県明石市
- ポジション:投手、外野手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:176cm・71kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速139キロの二刀流左腕。明石商戦で3安打、最終回を三者凡退に抑える活躍。チャンスに強い打撃と先発もこなせる投手能力が魅力。



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