社会人野球日本選手権の近畿地区最終予選で24日、今秋ドラフト候補の日本生命・谷脇弘起投手(23)がパナソニック戦に先発。6回1/3を2失点と粘りの投球でチームを勝利に導いた。ネット裏には9球団のスカウトが集結。大学時代の指名漏れの悔しさを乗り越えた右腕が、成長した姿をアピールした。
毎回走者背負うも要所締め、粘りの6回1/3を2失点
まさに粘りの投球だった。勝負の一戦を任された谷脇弘起投手は、4回まで毎回安打を浴びるなど、三者凡退は一度もない苦しいマウンド。それでも、「走者を出しても点を取られなければいいと考えていました」という言葉通り、得意のスライダーにチェンジアップなどを織り交ぜ、要所を締める投球で最少失点に切り抜けた。この日の最速は146キロを計測し、6回1/3を7安打2失点と試合を作った。
9球団が熱視線、スカウトも投球の幅を評価
立命館大でも注目された大卒2年目のドラフト解禁年とあって、スタンドには福岡ソフトバンク、横浜DeNA、東京ヤクルト、東北楽天、北海道日本ハムなど9球団のスカウトが視察。その前で見せた粘投と、投球術の進化に評価の声が上がった。
北海道日本ハム・荻田スカウト:「球種が増えて投球の幅が広がった」
185m86kgから151キロの速球を投げる力がある右腕が、社会人野球で更に揉まれて粘りの投球ができるようになり、スカウトも成長を評価した。
指名漏れの悔しさ胸に「今はチームの勝利だけ」
その立命館大時代にプロ志望届を提出するも指名漏れを経験した。「大学ではプロを意識しすぎて、うまくいかなかった」と当時を振り返る。その悔しさをバネに、社会人では「最終的に勝てればいい」と、チームの勝利だけを考えてマウンドに上がる。
その精神的な成長が、この日の粘り強い投球にも繋がった。「自分のことは考えずに勝つことだけ考えてやりたい」と語る右腕が、チームを勝利に導き、自らの夢も掴み取る。
谷脇 弘起 プロフィール
- 氏名:谷脇 弘起(たにわき こうき)
- 所属:日本生命
- 出身:那賀高校 – 立命館大学
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:185cm・85kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速151キロの本格派右腕。大学時代の指名漏れを経験し社会人で成長。スライダーに加えチェンジアップを習得し、投球の幅を広げた。


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