2019年のドラフト会議で、佐々木朗希投手、奥川恭伸投手と共に高校生右腕BIG3として注目され、ドラフト1位で阪神に入団した西純矢投手(24)が、来季から野手に転向し再出発することが明らかになった。今年2月に右肘の手術を受け、復活を目指したが、今季中の実戦復帰はかなわず、投手としては来季の構想外となった。高校通算25本塁打を誇るパワフルな打撃を生かす道を選び、本人の意思も固まっている。
投手としては構想外、打撃センスに懸ける
西純矢投手がプロ野球人生の大きな岐路に立っている。創志学園高校で150キロ超の速球を投げ、佐々木朗希投手、奥川恭伸投手と共に侍ジャパンU18代表入りするなど注目され、2019年のドラフト会議では、奥川投手の抽選を外した阪神に1位で指名されていた。入団後も154キロの速球を武器に、2022年には6勝を挙げるなど将来を期待されただが、今年2月に右肘を手術し、リハビリを続けたものの、実戦のマウンドに戻ることはできなかった。この状況を受け、球団は投手としては来季の構想外と判断した。
しかし、西投手にはもう一つの大きな武器がある。創志学園時代に高校通算25本塁打を記録し、U18W杯では外野手としても出場して2本塁打を放つなど、石川昂弥選手(中日ドラフト1位)などがいた中で最多本塁打選手として表彰された。プロ入り後も、2022年にはプロ初本塁打を記録。投手ながら通算打率.224と非凡な打力を見せていた。
チームの補強ポイントに合致、DH制導入も追い風
関係者によると、本人も野手転向に前向きで、すでに2軍施設で打ち込む姿も目撃されているという。西投手の野手転向は、チーム事情にも合致する。今季限りで原口選手が引退し、渡辺選手、野口選手が戦力外となったチームにとって、右のスラッガーは最大の補強ポイントだ。184cm98kgの恵まれた体格を誇る右の強打者となれば、誕生すれば、これ以上ない補強となる。
さらに、2027年からのセ・リーグDH制導入も追い風となる可能性がある。関係者は「守備経験の少なさを補うことにもなるかもしれない」と語っており、まずはその打撃に大きな期待が寄せられる。
まだ24歳、大学を経て社会人2年目の選手と同じ年であり、ドラフト候補として注目されるJR東日本の高橋隆慶選手や村上裕一郎選手との比較となるが、体格も含めて負けていない。
近年では日本ハム時代の糸井嘉男氏など、投手から野手へ転向して大成功を収めた例もある。高いポテンシャルを秘めた西投手が、新たな道でその才能を開花させることができるか注目が集まる。
西 純矢 プロフィール
- 氏名:西 純矢(にし じゅんや)
- 所属:阪神タイガース
- 出身:創志学園高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:184cm98kg
- 主な特徴や実績:2019年ドラフト1位。最速150キロ超の本格派右腕として通算12勝。高校通算25本塁打、U-18W杯で最多本塁打を記録するなど打撃センスも非凡。2025年2月に右肘を手術し、来季から野手に転向する。



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