静岡学生野球秋季リーグでは、静岡産業大がリーグ王者の日大国際関係学部に勝利した。この結果、東海大学静岡キャンパスと勝率で並び、東海地区大学選手権の出場権をかけたプレーオフに臨むことが決まった。試合を決めたのは、プロ志望届を提出している今秋ドラフト候補の4番・渡邉笑生(わらう)一塁手(4年)。決勝の本塁打は今季4本目のホームランで、一時は引退も考えた大砲が、土壇場でプロへの道を切り開いた。
逆境で燃える4番、決勝のキャリアハイ4号
まさに4番の仕事だった。同点で迎えた6回無死、渡邉笑生選手は内角の直球を強振。打球は左中間スタンドに突き刺さる決勝のソロ本塁打となった。直前の守備で同点に追いつかれる悪い流れだったが、「あの状況で、自分に単打は求められていないと。長打を狙った結果、運良くサクを越えてくれた」と、プレッシャーを力に変えた。
負ければ東海大会出場の道が断たれる状況にも、「重圧というよりか、逆に気持ちが高まりました」と話し、勝負強さを見せた。この一発で今秋は4本塁打となり、1年秋の記録した3本塁打を超えるキャリアハイの本塁打となった。
左膝大怪我、引退危機からドラフト候補へ
1年秋に新人賞、ベストナイン、本塁打王を獲得したが、2年の夏に左膝の前十字靱帯と半月板を損傷する大怪我を負った。3年春に代打で復帰するも調子は上がらず、4年春が終わった時点では引退も考えていたという。しかし、自身のプレーを視察するプロスカウトがいる事を知り、「秋もプレーする」と決意。プロ志望届を提出し、NPB球団から調査書も届くまでに評価を高めてきた。
プレーオフ勝利で全国へ「アピールする機会が増える」
この勝利により、8日に東海大静岡キャンパスとのプレーオフが決定し、これに勝てば、明治神宮大会の出場権をかけた東海地区大学選手権に進むことができる。「アピールする機会が増える」と、ドラフト会議前の最後の大舞台へ意欲は十分だ。「まだ足りないですね。5本目を打てれば」と不敵な笑みを浮かべた大砲が、自らのバットで道を切り開く。
渡邉 笑生 プロフィール
- 氏名:渡邉 笑生(わたなべ わらう)
- 所属:静岡産業大学 4年
- ポジション:一塁手
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。2年夏に左膝の大怪我を乗り越え、4年秋にキャリアハイの4本塁打を記録。勝負強い打撃が魅力の右の大砲。

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