23日のドラフト会議でソフトバンクから1位指名を受けた米スタンフォード大学の佐々木麟太郎内野手(20)について27日、同選手のマネジメント会社が都内で会見を開き、今後の見通しを説明した。佐々木選手本人は来シーズンもスタンフォード大学でプレーすることを決めており、プロ入りの最終決断は来年7月のMLBドラフト会議後になることが明らかになった。
来季もスタンフォード大でプレー、決断はMLBドラフト後
ドラフト会議のサプライズ指名から数日、注目された佐々木麟太郎選手の意向が明らかになった。マネジメントを行う「ナイスガイ・パートナーズ」の木下博之代表取締役は、佐々木選手本人の言葉として「指名してくださった2球団に感謝している。高い評価を頂いていたので励みになっています」と感謝の意を述べた。
その上で、「来年のシーズンは間違いなく、スタンフォード大でプレーすることは決めています。その決意が揺らぐことはない」と、来年2月から始まる大学リーグ戦に集中する方針を明言。プロ入りの最終的な決断については、来年7月12、13日に行われるMLBドラフトの結果を待ってから下すことになるとした。
4つの選択肢「ソフトバンク」「MLB」「大学残留」「他大学へ編入」
木下氏によると、佐々木選手が来夏に持つ選択肢は主に4つ。「ソフトバンク入り」「大リーグ球団入り」「大学残留」、そして「他大学への編入」だという。木下氏は「メジャーは夢としてあるが、それが第一の選択肢になるかは全く分からない。MLBに行くから米国の大学を選んだわけではない」と、メジャーありきではないことを強調。学業との両立と人間的成長を望む父・洋監督の意向もあり、大学卒業も視野に入れた「長期的な視野」で判断するとした。
ソフトバンクは城島CBOが父・洋監督へあいさつへ
交渉権を獲得したソフトバンクは、近日中に城島健司CBOが岩手・花巻東を訪れ、父である佐々木洋監督へ指名あいさつを行う予定だ。11月には担当者が米国へ渡り、本人とも面会する方向で調整している。ただし、NCAAの規約上、具体的な契約交渉はスタンフォード大学のシーズンが全日程終了する来年6月下旬以降となり、NPBの交渉期限は7月末日となっている。
佐々木選手側も「失礼はできない。全く話を聞かないことはない」と交渉の席に着く姿勢は見せており、MLBドラフトの結果が出そろった後の約2週間で、その進路を巡る最終決断が下されることになりそうだ。
判断のポイント
今後、佐々木選手の判断のポイントはいくつかある。まず、スタンフォード大では起業についての学びを行っており、佐々木選手は孫正義氏を尊敬している人物にあげている。しかし、アメリカの大学は希望すればまた学びの場所に再び復帰することもできるので、いまやることがプロとしての野球なのかどうかというところが一つのポイントになり、学びの方を優先したいということであれば、来年のMLBのドラフト会議で指名されても入団することはないだろう。父が4年間学んで卒業することを希望しているという報道もあるが、それは関係ない。あくまで本人の問題だ。
次にMLBかNPBかというのがもう一つのポイントとなる。佐々木選手には今回ドラフト1位指名をした2球団以外にも指名を検討した球団があった。佐々木選手側が指名をするのは可能だが、本人の意志により入団をしない可能性があると12球団に伝えており、東京ヤクルトは青木GM補佐がメジャーの関係者にアプローチし、MLBが佐々木選手に高い評価をしていることで、来年のMLBドラフトで高い順位で指名される可能性があると判断し、指名を断念したという。
佐々木選手がプロ野球入りを決意するとして、来年7月にMLBのドラフト会議で指名を受けた時は、MLBかNPBかの判断となる。MLBでプレーすることでアメリカに渡ったわけではないというものの、やはり佐々木選手が将来的に目指していると見られるアメリカを選択したのは、MLBの近いからというのはあるだろう。そこで判断のポイントとなってくるのは、北海道日本ハムが大谷翔平選手を説得したことと同じ内容で、多くの選手がマイナーの各カテゴリで競争しながらメジャーを目指すスタイルが良いのか、NPBのように比較的少ない人数の少数精鋭の環境で成長しているのか、佐々木選手がどちらのほうが自分がより高い方へいけるかということになるだろう。
最終的に人間的な関係で、王貞治氏、または孫正義氏が面談をする可能性もあり、それが決めてとなる可能性も高いのではないかと思う。
佐々木 麟太郎 プロフィール
- 氏名:佐々木 麟太郎(ささき りんたろう)
- 所属:スタンフォード大学 2年
- 出身:花巻東高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:184cm・120kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位(ソフトバンク)。DeNAと競合。高校通算140本塁打。来季もスタンフォード大でプレーし、進路は2026年7月のMLBドラフト後に決断する方針。













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