明治神宮大会(14日開幕)の出場権を懸けた関東地区大学野球選手権は5日、横浜スタジアムで決勝が行われ、杏林大学(東京新大学リーグ1位)が神奈川大学(神奈川大学リーグ1位)を4-0で下し、創部40年目にして初の優勝、初の明治神宮大会出場を決めた。1年生右腕・古宇田烈投手が6安打で公式戦初完封を飾る快投。チームは今大会3試合を全て完封勝利という、大会史上初の快挙で全国への切符を掴んだ。
1年生・古宇田が86球「マダックス」達成
歴史的快挙の立役者となったのは、1年生ルーキーだった。大一番の先発マウンドを託された古宇田烈(こうだ れつ)投手(1年=聖光学院)が、圧巻の投球を披露した。リーグ戦では調子を落としていたというが、今大会初戦のリリーフ登板で「いい感覚を取り戻した」という。その言葉通り、この日はテンポよく打たせて取り、わずか86球、6安打無四球で完封勝利。100球未満での完封「マダックス」を達成した。
「きょうは1イニングずつと思っていきました」と語る1年生の快投で、チームは準々決勝の帝京大戦(3投手による零封)、準決勝の松本大戦(4年・岩井拓巳投手が完封)に続き、3試合連続の完封勝利。大会史上初となる「無失点優勝」という偉業を成し遂げた。
MVPは打率6割、8番・長田
投手陣の奮闘に応えたのは、8番の長田裕海三塁手(2年=相洋)だった。4回裏2死二塁の好機で、先制となる中越えの適時二塁打を放つなど、この日も3安打3打点の大暴れ。大会を通じて10打数6安打6打点、打率6割という驚異的な成績を残し、最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。長田選手は「出来過ぎなところがあった。慢心せずに、もう一度足元から見つめ直したい」と、初の全国舞台へ向けて気を引き締めた。
溝口監督、就任2年目で関東の頂点へ
2023年まで立教大学を率い、2017年には全日本大学選手権を制した実績を持つ溝口智成監督(57)が、就任2年目にしてチームを初の全国舞台へと導いた。胴上げで宙を舞った指揮官は、「3試合とも、ピッチャーが本当に頑張った。ここにきて一番の戦いが、3試合で出来た」と、選手たちを最大級の賛辞で称えた。杏林大学は15日の神宮大会初戦で、名城大学と対戦する。
古宇田 烈 プロフィール
- 氏名:古宇田 烈(こうだ れつ)
- 所属:杏林大学 1年
- 出身:聖光学院高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:関東地区大学選手権決勝で6安打無四球、86球で完封勝利(マダックス)を達成。チームを創部40年で初の明治神宮大会出場に導いた。
長田 裕海 プロフィール
- 氏名:長田 裕海(おさだ ゆうかい)
- 所属:杏林大学 2年
- 出身:相洋高校
- ポジション:三塁手
- 主な特徴や実績:関東地区大学選手権決勝で3安打3打点の活躍。大会通算打率6割を記録し、最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。








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