社会人野球日本選手権は7日に2回戦が行われ、東邦ガスが明治安田に5-2で勝利した。1点を追う3回に、来秋のドラフト候補として注目される「3番・三塁」の宮下隼輔内野手(22)が、起死回生の逆転満塁本塁打を放った。今秋のドラフトでは調査書が届かず指名漏れとなったが、その悔しさをバネに「打力でアピールするしかない」と、大舞台で強烈な存在感を放った。
初球をフルスイング!起死回生の逆転満塁弾
一振りで試合の流れをひっくり返した。1点を追う3回無死満塁の絶好機。「三振してもいいという気持ちで思い切りいった」と、宮下隼輔選手は初球のチェンジアップをフルスイング。打った瞬間に確信する打球は、左翼席へ突き刺さる逆転のグランドスラムとなった。「社会人では公式戦は4本目だと思う。グランドスラムも高校から記憶にない」という会心の一撃で、チームを8強進出に導いた。
13キロ増量で「打球の質が変わった」
大阪桐蔭高校から入社し4年目。その飛距離は、昨冬からの肉体改造によって飛躍的に向上した。食事の量と回数を増やし、体重は約13キロ増加。現在は175cm、95キロというがっちりした体格のスラッガーへと変貌を遂げた。「打球の質が変わった」と、本人もパワーアップへの確かな手応えを感じている。また、今季から遊撃手から三塁手へコンバートされたことも、「打撃への意識向上につながった」と語る。
大阪桐蔭の同期・繁永の指名を刺激に
今秋のドラフト会議では、NPB球団からの調査書が届かず、指名漏れの悔しさを味わった。一方で、大阪桐蔭の同期である繁永晟内野手(中央大)が楽天から3位指名。「自分もまだまだ諦めていない。打力でアピールするしかない」と、ライバルの吉報を刺激に変えている。
「今大会でもう1本打ちたいし、次の日本生命戦でベスト8の壁も突破したい」。プロ入りという目標を果たすため、宮下選手がバットで自らの道を切り開く。
清水投手もリリーフで好投
また大学卒2年目の清水大成投手が9回に抑えで登板し、三者凡退に抑えた。履正社高で2019年の夏の甲子園で優勝し、早稲田大を経て2024年に東邦ガスに入社した。新人だった昨年は思うような投球ができずにいたが、今秋の日本選手権東海地区最終予選でリリーフとして、2試合4回を1安打6奪三振と圧倒する投球を見せた。
「チームの皆さんが投げやすい雰囲気をつくってくださる。そのおかげで、自分は任されたところを精いっぱい投げることに集中できています」と話す清水投手は、「会社に少しでも貢献できるよう、一つでも多く勝っていきたい」と話し、セーブでチームに貢献する。
宮下 隼輔 プロフィール
- 氏名:宮下 隼輔
- 所属:東邦ガス
- 出身:大阪桐蔭高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:175cm・95kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。社会人4年目。高校通算21本塁打(記事外情報)。体重13kg増で長打力が開花した右のスラッガー。日本選手権2回戦で逆転満塁本塁打を放った。







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