【日本野球界衝撃】仙台大・佐藤幻瑛投手が米大学へ編入へ、NPB経ずMLBに挑戦

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来秋のドラフト会議で1位指名が有力視されていた仙台大学(仙台六大学野球連盟)の最速159キロ右腕・佐藤幻瑛投手(3年・柏木農)が、メジャーリーグ挑戦を見据えてアメリカの大学に編入することがわかった。今夏の日米大学選手権で優勝に貢献した大学屈指の剛腕は、NPBを経由しない「最短ルート」で世界最高峰のMLBの舞台を目指し、来年2月にも海を渡る。

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日米大学野球で自信、NPB経由せず「直メジャー」へ

衝撃の決断だ。佐藤幻瑛投手は柏木農(青森)時代は無名だったが、仙台大入学後に急成長。1年春の全日本大学選手権で152キロをマークして全国デビューを果たすと、順調に球速を伸ばし、現在の最速は159キロに達する。そのストレートは近年のドラフト候補でも群を抜いており、リリーフ投手とはいえ10年に1人の投手として、来年のドラフト会議の超目玉の投手だった。

MLB挑戦を思うようになった転機は、3年生ながら日本代表に選出された今夏の日米大学選手権だ。救援として3試合に登板し、メジャー予備軍の強打者たちを自慢の直球でねじ伏せた。「通用する」という手応えが、憧れだったメジャー挑戦への思いを確信へと変えた。「最短距離で目指す舞台」を見定めた結果、大学途中での渡米という大きな決断に至った。

2027年MLBドラフト指名へ、目標は「165キロ」

現在は米国内の大学への編入に向け、進学する大学を絞り込んでいる状況で、特待生として迎えられる見込み。規定により米大学での2026年は公式戦に出場できない可能性があるが、サマーリーグなどで実戦感覚を養い、2027年のMLBドラフトでの指名を目指す計画だ。もちろん仙台大でのプレーも今年が最後となり、来年、仙台大のマウンドに佐藤投手は立たない。

佐藤投手は「165キロを出したいです」と話し、ドジャース・大谷翔平選手や佐々木朗希投手(ロッテ)と肩を並べる剛速球投手を目指していた。すでに複数のMLB球団が動向を注視しており、日本のプロ野球で投げる姿は、実現したとしてもかな先の話しになりそうだ。

加速する「海外流出」、アマ球界に新たな波

近年、野球の話題はドジャースの大谷翔平選手や山本由伸投手が席巻しており、高校生や大学生がアメリカの大学に進学したり、MLBと契約するケースが相次いでいる。2022年には150キロ近い速球を投げ打撃でもパワーが注目された智弁和歌山の武元一輝投手がハワイ大に進学、2023年には高校通算140本塁打を放った佐々木麟太郎選手がプロ志望届を提出せずにスタンフォード大へ進学、今年のドラフト会議で福岡ソフトバンクが1位指名をしたものの、MLB入りを目指して来年のMLBのドラフト会議での指名が有力視されている。

そして2024年も桐朋高校で152キロの速球を投げ、打っても高校通算39本塁打と二刀流として注目された森井翔太郎選手が、MLBを目指してプロ志望届を提出し、アスレチックスとマイナー契約を交わした。NPBでも上位で指名を予定していた球団もあった。以前はドラフト会議で指名漏れをした選手がアメリカに渡るケースがあったものの、近年はドラフト候補として上位指名の可能性のある選手もアメリカに渡るケースが出てきている。

そして、大学生トップクラスの佐藤投手も海を渡る決断を下した。ドラフト1位候補の海外流出は、NPB球団にとっても大きな衝撃となっている。森井選手はマイナー契約だったにもかかわらず、日本のドラフト1位で指名された選手よりも高い契約金となっており、金銭的格差も圧倒的になっている。「才能ある選手が海外へ渡るケースは避けられない」とある日本の球団幹部が話しているが「ドラフト1位に提示できる金額ですらメジャーに太刀打ちできない。どうしたらいいのか答えが見つからない」と話す。

また日本にはプロとアマチュアの壁は依然としてあり、プロ志望届を提出しない選手とは、プロ野球関係者が接触できない。アメリカにもルールはあるものの、既に日本のプロ野球の球団同士の獲得競争という時代から、MLBとの獲得競争へと移っている。今回の佐藤投手の決断は、時代の変化を象徴するようなものとなりそうで、日本のプロ野球にとって大きな危機となる

佐藤幻瑛投手という大器が、アメリカの地でどのように覚醒するのか、日米の野球ファンが注目することになるが、その活躍が華々しいほど、日本のプロ野球は厳しい立場へと追い込まれる。

佐藤幻瑛 プロフィール

  • 氏名: 佐藤 幻瑛(さとう・げんえい)
  • 所属: 仙台大学(3年) → 米国大学編入予定
  • 出身: 青森県黒石市(柏木農業高校卒)
  • ポジション: 投手
  • 投打: 右投右打
  • 身長・体重: 180cm、90kg
  • 主な特徴や実績: 最速159キロの剛速球を誇る大学屈指の右腕。3年夏に日米大学選手権で日本代表入り。NPBドラフト1位候補と目されていたが、米国大学への編入とメジャー挑戦を決断。目標は球速165キロ。
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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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