東都大学野球リーグで史上3校目の6連覇と明治神宮大会連覇を達成した青山学院大学が12月23日、神奈川県相模原市のグラウンドで年内最後の練習を行った。来春、前人未到のリーグ7連覇に挑むチームの中心は、共に来秋のドラフト1位候補に挙がる新主将・渡部海捕手(3年・智弁和歌山)と、最速154キロ右腕・鈴木泰成投手(3年・東海大菅生)。偉大な先輩たちが築いた「3年連続ドラフト1位・複数輩出」という記録を、「4年連続」、しかも「バッテリーでの1位指名」という形で更新するべく、最強コンビが勝負の冬に突入した。
意識せざるを得ない「4年連続」の偉業
青学大の黄金時代はドラフトの歴史も塗り替えている。2023年の常廣羽也斗(広島1位)・下村海翔(阪神1位)、2024年の西川史礁(ロッテ1位)・佐々木泰(広島1位)、そして今年の中西聖輝(中日1位)・小田康一郎(DeNA1位)。3年連続で同一チームから2人のドラフト1位選手が誕生するのは史上初だ。
次なるバトンを受け取る渡部海主将は、「目指しているところは2人とも一緒。これだけ続いているので意識せざるを得ないが、やりがいにもなる(スポニチ)」と、プレッシャーを歓迎する。さらに、「1位で行きたい。3年連続で1位が2人いることは意識せざるをえない。それが逆に自分のやりがい。プラスに捉えています(日刊スポーツ)」と力強く宣言した。
鈴木泰成「やっと自分の年が来た」、文句なしの1位へ
エース候補の鈴木泰成投手も、並々ならぬ覚悟でラストイヤーを迎える。「高校でプロの道を進まずに大学ドラフト1位で行くという目標を立ててきて、やっと自分の年がくる、という感じ(日刊スポーツ)」と、待ちわびた勝負の時を見据える。
今年は抑えから先発へ本格転向し、エース・中西投手に続く2番手として登板したものの、春は2勝0敗、秋は3勝2敗と実績を積んだものの、まだ中西投手との安定感の差が目立った。鈴木投手は「文句なしの1位にこだわりたい(デイリースポーツ)」と満足はしていない。「1位候補と言われることが多いんですが、もう1段階、レベルアップしないと1位で行けないと思っている(日刊スポーツ)」と自己分析し、現在の体重90キロからさらに増量して「バテない体」を作り上げる計画だ。
新主将・渡部が掲げる「総合力」と「V7」
今年のドラフト会議で明治大の小島大河選手が埼玉西武にドラフト1位指名された。同じ大学生捕手としてベンチマークとなるが、渡部選手のアピールポイントは「総合力」だ。「試合をコントロールして、打撃も含め、どれだけ勝ちの確率を上げられるか(デイリースポーツ)」と、扇の要としての支配力を高める。実際に侍ジャパン大学代表では小島選手がDHなどで出場し、渡部選手が正捕手としてマスクをかぶった。大学1年時から青山学院大でマスクをかぶり、ドラフト1位で指名された投手達をリードしてきた点は実績として高く評価される。
課題はやや波のある打撃で、今年は春は打率.324、2本塁打だったが、秋は打率.159、1本塁打、四死球での出塁を増やそうとしたり、課題克服のために取り組みをしているが、ここまでリーグ通算8本塁打と長打力もあり、打撃でもアピールができれば、それに越したことはない。しかし、打撃でのアピールが今年と同じくらいだったとしても、即戦力捕手としてドラフト1位指名される可能性は高いと見る。
そして主将の渡部選手が目指すはリーグ史上初の7連覇、そして大学4冠。「来年は、7連覇、8連覇を自分たちの代で築き、最終目標は4冠。そこは最後までブレずにやっていきたい(日刊スポーツ)」。常勝軍団の伝統を守り、さらに進化させるため、最強バッテリーが大学野球の頂点を目指してひた走る。
渡部海 プロフィール
- 氏名: 渡部 海(わたなべ・かい)
- 所属: 青山学院大学(3年)
- 出身: 智弁和歌山高等学校
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、88kg
- 主な特徴や実績: 1年春からレギュラーの強打の捕手。リーグ6連覇、全国制覇4回に貢献。大学日本代表。新チームから主将を務める。
鈴木泰成 プロフィール
- 氏名: 鈴木 泰成(すずき・たいせい)
- 所属: 青山学院大学(3年)
- 出身: 東海大菅生高等学校
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 187cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速154キロの剛速球を投げ込む大型右腕。リリーフで実績を積み、3年時から先発へ。大学日本代表。
























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