2019年ドラフト総括3~12球団のポイントとなる指名~

2019年ドラフトニュース

2019年のドラフト会議で、12球団の指名でポイントとなりそうな選手を一人ずつ挙げてゆきます。来年以降のプロ野球を見るのが楽しみになるように。

12球団のポイントとなる選手

東京ヤクルト 5位:長岡秀樹

1位の奥川投手だけでなく、2位の吉田投手など好投手の指名が続いた中で、輝くのが5位の長岡秀樹選手。4位まで投手指名が続いたが、5位での方向転換の指名となり、しかも6位でU18代表の武岡龍世選手が指名された事でクローズアップされる。

ショートとして体はそれほど大きくないが、がっちりしており、体を使うににブレが無く、足が地に吸い付くようにピタッとブレーキングできる。送球もがむしゃらに強い球を投げるのではなく、アウトのタイミングで放る事ができ、落ち着いてコントロールして投げられる。打撃も巧打者から、一発を警戒させる選手へと成長し、1番ショートの可能性が広がる。

オリックス 5位:勝俣翔貴

即戦力の内野手、3年時に大学代表入りし、U18との壮行試合では当然のようにホームランを放つ。打撃においてはその時点でこの世代の選手のトップクラスであることを証明していた。4年に入り手の骨折で怖さが残り思うような打撃ができなかったが、大学代表3年時に活躍しながらドラフト時は評価が低かった点で、中川圭太選手に似ている。来年の終盤にはサードのポジションの付く勝俣選手が見られるのではないかと思う。

中日 3位:郡司裕也

捕手が課題の中日で、これほど1軍に置いておきたい選手はいない。確かに肩の強さでは加藤匠馬選手に負けるだろう。首脳陣も特徴を持った選手を起用したくなり、最初はスタメンマスクはかぶれないかもしれない。しかし、投手が抑えきれなくなった時、または右の代打として打席に入った時に、これほど頼れる選手はいないだろう。その積み重ねで来年の後半は加藤選手と半々くらいでスタメンマスクを被り、徐々に存在感を増していくことだろう。

北海道日本ハム 4位:鈴木健矢

右のサイドハンドの鈴木選手の球は鋭い。球速が出ている時は真っすぐを分かっていてもファウルしかできない。動く球も有効に使う事ができ、プロでも右バッターは怖さを感じるかもしれず、鈴木投手を苦手と感じたバッターに徹底的にぶつけてゆきたい。嫌だと思う打者が増えれば増えるほど、鈴木投手の価値が挙がる。社会人野球でも、鈴木がプロに行ってくれてよかったと思っている打者が何人もいるだろう。

広島東洋 2位:宇草孔基

送球の動画が出回っているが、それを見てもドラフト上位候補と思わせるのが宇草選手だ。打席では相手投手をその大きな目で見透かし、インコースの球は体を倒しながら強く引っ張り込み、それでいて外角も体重を残して強くはじき返す。また走り出すとさらに輝きを増す。鋭くコーナリングしてセカンドにスタンディングでベースにつき手袋を外す姿、そして塁上で相手投手を大きな目で見透かす姿は、見ていて華がある。そのプレーを一目みれば、宇草はプロでもいけると思う事だろう。

千葉ロッテ 2位:佐藤都志也

指名後に言ってもあれだが、佐藤都志也の2位以下の指名はないと思っていた。外野手として見せた強肩は、プロでもトップクラスのもので、あれだけの肩を持つ選手はそうはいない。そして打撃については、軸がしっかりとして頭もブレず、ストライクゾーンを安定して打っていける高い技術がある。捕手としては持っている力をコンパクトに出していけるかという感じだが、個人的には足もあり、大きなプレーをしてほしいので外野手を期待したいが、いずれにしてもいずれ3番、5番を打つ選手になるだろう。

阪神 3位:及川雅貴

左腕投手に課題のあった阪神で、及川投手はそのポイントをふさいでくれる。高校になって153キロを記録するなど体が急激に成長をした分、フォームのアジャストに苦労をしていた点は、万波選手など近年の横浜高校の選手にあるパターンだが、やはり持っているものが違うという事はプロに入っても反映される。万波選手はいろいろな課題もあったがファームで結果を出し、来年は1軍に顔を出しそうだが、及川投手も来年1年でファームで結果を出し、終盤戦や再来年には2軍で圧巻のピッチングを見せる事になるだろう。

東北楽天 3位:津留崎大成

野手の補強を目指した今年の東北楽天の補強だが、投手が輝くかもしれない。津留崎投手はトミージョン手術を受けて1年半リハビリをしたが、若いうちのこの手術は球速をアップさせるという話も聞かれるように、津留崎投手も球速もグングン増している。開きそうな左肩をなるべく我慢して、腕を振って投げるストレートとスライダー、特にスライダーは分かっていてもなかなか捉えることができない球だろう。球速は153キロに達し、まだ伸びる可能性もある。剛腕リリーフとしてチームを支える存在となりそうだ。

横浜DeNA 5位:田部隼人

1位で遊撃手の森敬斗選手を指名したDeNAが5位で指名したのが田部選手。185cm83kgの右投げ右打ちの田部選手は、高めのボール球を放り込むような打撃の粗さを感じさせる。しかし、その打撃で公式戦の通算打率は.490を誇り、自分のタイミングやバッティングを持っている。変えずにいけば、宮崎選手や中村紀洋選手のようなものを自分でつかんでいくかもしれない。また個人的には守備に注目をしており、ショートとして期待したいのは森選手よりも田部選手だと思っている。大きな体がだが打球に回り込み、踏ん張っての送球はメジャーリーガーを思わせる。大型遊撃手としてまずは来年、ファームでそのプレーを見たい選手。大きさを壊さずに成長してほしい。

福岡ソフトバンク 3位:津森宥紀

野手5人の指名の中で光るのが3位の津森投手の指名だった。ソフトバンクは高橋純平、甲斐野央と若手をリリーフに起用し、確かにそこで素質を見せ始めているが、シーズンを通してリリーフで投げるとその負担は計り知れない。その中で津森投手の加入はそれを大きく緩和してくれる。今年は不調だったものの、昨年の大学選手権での圧巻のピッチングで3位の位置を確保した。そしてそれに応えるため、このオフももっと成長を見せてくれるだろう。右サイドからの強いストレートと動く球は、来年の春は150キロの壁を打ち破っていきそうだ。

巨人 4位:太田龍

高校生の中で唯一の社会人だが、高校卒3年目でまだ若い。しかもJR東日本で持っている馬力を大きくし、2年目の都市対抗で投げた球は、昨年のソフトバンクドラフト2位・杉山一樹に次ぐものだった。今年は3年目でプロ入りも意識しながら、チームの勝利に貢献しようと必死だったのか先発で投げたものの、都市対抗では制球を意識しすぎ得て腕が振れないでいた。しかし、のびのびと投げていた日本ハム2軍との試合では常時150キロ前後の球で魅了させた。短いイニングでのびのびと投げていければストレートに自信を持つようになる、そうなるとフォークボールが効いてくる。リリーフとしてマシソン投手を助ける存在になってくるかもしれない。

埼玉西武 2位:浜屋将太

1位で宮川、2位で浜屋と社会人の左右腕を獲得した西武、この浜屋投手の成長は、ドラフト1位候補として注目され、外れ1位で競合し日本ハムが交渉権を獲得したJFE西日本の河野竜生投手に並ぶものがある。共に高卒3年目で小柄な左腕投手だが、河野投手は2年目でブレークし、今年1年はエースとして投げ切った事で1位クラスとなったが、浜屋投手は今年ブレークを見せた。おそらく来年JX-ENEOSにいれば、来年秋にはドラフト1位で指名されていただろう。

体の使い方に躍動感があるのだがリリース時は勢いだけで投げるのではなく、腕が遅れて出てきてリリースポイントが一定し、そこからスライダーを見せ球に、急に伸びてくるような真っすぐが決め球になる。スライダーで空振りを奪えるが、プロで真っすぐで何個三振を奪うかに注目をしたくなる投手だ。

2019年ドラフト会議、指名選手一覧

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