2019年ドラフト総括2~サプライズ指名・ラッキー指名~

植田将太

2019年のドラフト会議、ドラフトの会場がどよめくような指名は何度かあった。

1位指名のサプライズ

ドラフト1位指名を会議前に公表していたのは6球団、残りの6球団のうち、オリックス、ソフトバンクが佐々木投手、DeNAが森下投手、東北楽天が佐々木投手か石川選手、阪神と巨人が奥川投手の指名と予想されていたが、直前の情報でソフトバンクは石川選手、楽天は佐々木投手、巨人と阪神は奥川投手の指名という情報が出ていた。また、DeNAとオリックスの情報がないまま会議を迎えた。

そして1位の2球団目で読み上げられたオリックスの1位指名に会場がどよめく。当初予想された佐々木投手ではなく、2球団が競合する予定となっていた石川選手に突っ込んだ。チームの攻撃の成績が悪く、福良GMも当初から野手の補強を公言しており、それに従った形となった。

またもう一つのサプライズは横浜DeNAの森選手の単独1位指名だった。内野手の補強がポイントとなっており、15日のスカウト会議で野手の1位指名を示唆するようなラミレス監督の発言もあり、投手から上位指名が予想されていた森選手の予想もできたが、森下投手の指名が広島1球団という状況で森下投手の指名という事もかんがえられた。しかし、森選手を指名した。

ただし、森選手の1位指名も予想はされており、会場全体が大きくどよめくような指名はなかった。阪神の矢野監督も1位指名を公表せず、サプライズがあるかもとしていたが、予想通りの森下投手の指名となり、金本監督のような事はなかった。

2位以下のサプライズ

2位ではオリックスの紅林弘太郎投手、阪神の井上広大選手の指名が沸いた。紅林選手は大型の遊撃手で夢がある選手、井上選手も甲子園で見せた長距離砲だが守備の課題もあり、共に3位か4位での指名を予想していたが、石川選手や森選手をはじめ、高校生野手全体の評価がドラフト前に全体的に上がってきた印象を受ける。U18で石川選手、森選手が木製バットで見せた打撃が全体の評価を引き上げたとみられ、また、埼玉西武が強力な打棒でパリーグ2連覇を果たし、特に森選手の打撃がすさまじかった事も、打者の重要性をプロ球団に意識させたのかもしれない。東北楽天も国体で木製バットでヒットを打ちまくった黒川史陽選手を2位で指名した。

3位では西武がBCリーグ・武蔵の松岡洸希投手を指名、伊藤翔投手に続く独立リーグ選手のドラフト3位指名で、中日の又吉投手の2位に次ぐ高い評価となった。巨人は原監督が惚れたという事で常総学院の菊田拡和選手を3位で指名、長打力は素晴らしいが、まだ課題もある選手で4位くらいの指名と見ていた。

そして阪神は3位で及川雅貴投手を指名、BIG4の一人だったが、昨年秋から不調となり、今年に最後まで立て直すことができなかった事で3位まで残る事となった。

中位・下位指名でのサプライズ

中位・下位はおおむね評価通りの指名が続いたが、東北楽天が4位で都城東の武藤敦貴投手を指名、外野も守る左腕投手でこれは昨年の山形中央・佐藤智輝投手に続き、石井GMがチェックして決めた左腕投手だろう。

埼玉西武は5位で柘植世那選手を指名、森選手のバックアップとして1軍に入れる捕手の獲得を目指していたというが、海野選手をはじめ大方の選手が上位指名で消えての指名だったとみられる。柘植選手は健大高崎からHonda鈴鹿入りし4年目の選手で大学生の捕手と同じ学年となる。昨年に指名解禁されており、社会人では注目されていたが、特に目立った成績があったわけでなく、指名理由を聞きたいところだ。

巨人の5位指名・山瀬慎之助選手はラッキー指名だったか。長谷川部長が評価していた捕手だったが、基本的に原監督の評価した選手が優先される中で、山瀬選手は他球団からも評価する声が挙がっており、ここで指名出来た事は長谷川部長はうれしかっただろう。

ソフトバンクも慶応大の柳町達選手を5位で指名、これで選択終了をしている。東京六大学でコンスタントにヒットを打ち100安打を達成、代表でも広角に打つバッティングを見せていたが5位まで残っていたラッキー指名となった。オリックスの勝俣翔貴選手の5位指名もラッキーか。今年は骨折などで評価は上がらなかったものの、大学生でトップクラスのスラッガー、大学3年時に大学代表入りして活躍を見せており、その点で中川圭太選手と同じ感じがする。中川選手は評価通り1年目からプロで活躍を見せたが勝俣選手もそれに続きそうだ。

埼玉西武は6位で日大三の井上広輝投手を指名した。高校2年時は奥川投手や西投手と並ぶような150キロの球を甲子園で見せていたが、今年は不調となっていた。この順位で取れたのはラッキーだろう。また横浜DeNAは7位で有明の浅田将汰投手を指名した。U18代表入りした投手で、140キロ後半の速球を投げる力がある。U18で奥川投手や西投手、宮城投手と比べて、まだ差があるなと感じさせたことでこの位置まで残ったのかもしれないが、この位置で取れる選手ではない。

埼玉西武は7位で四国アイランドリーグ徳島の岸潤一郎選手を指名した。明徳義塾時代は投打に活躍したスター選手だが、拓大を中退し独立リーグでプレー、外野手としてプレーしている。下位指名でチームの支えとなっている熊代聖人選手と被る。

育成ドラフト

西武の育成ドラフト1位・出井敏博投手もややサプライズ、神奈川大で投げる186cmの右腕だが、球速は早くない。かなりの素質を評価しての指名となった。また千葉ロッテの植田将太捕手は最も驚かせた。慶応大では郡司選手などがおりリーグ戦で出場がほとんど無い選手。プロ志望届も、慶応大では5人が9月10日に提出をしているが、植田選手は10月1日に1人別に提出をしている。すでに入団テストなどの時期も過ぎたタイミングでのプロ志望届で、独立リーグを希望するのかと見られたが、千葉ロッテ側から何かしらのアプローチがあったのかもしれない。

東北楽天の育成ドラフト3位、ハワイ大の山崎真彰選手や広島の育成3位・畝コーチの長男・畝章真投手の指名も驚かせたが、個人的には千葉ロッテの植田選手の指名が最も驚いた。佐々木投手を獲得した千葉ロッテは、サプライズでも最も輝いた。

スポーツ紙各紙の12球団ドラフト1位指名予想(2019)
2019年ドラフト会議、指名選手一覧


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