今年のドラフト会議では、作新学院の小川哲平投手、広陵の高尾響投手、健大高崎の箱山遥人捕手、中央学院の颯佐心汰内野手など、有力な高校生の指名漏れが相次いだ。
スカウト「育成契約ならプロ入りしないという意思を伝えていた」
高校生が指名漏れしたことについて、セ・リーグスカウトが「彼らはみな、事前に育成契約ならプロ入りしないという意思をプロ側に伝えていたのです。中でも小川、高尾は社会人、颯佐は大学を受け皿にしながら、支配下でのドラフト指名を待った。」と話し、育成ドラフトでの指名は拒否をしていた事を明かした。
ただ、「今年は人件費削減で、支配下指名を5人で打ち切った球団が4つあった。6人目以降の選手は育成で獲得するつもりだったのかもしれませんが、そんなプロ側の意向が選手たちに敬遠されたのですよ。」と、今年は5位前後で指名を打ち切る球団も多く、指名漏れとなった選手が5位までに指名される実力が無かったという事になる。
スカウトは「契約金を安く抑えられ、なおかつ結果が出なければ2、3年でクビになるなんて、甲子園で活躍したり、日本代表に選ばれた選手のプライドが許さなかったのではないか」と話し、「育成はよくよく嫌われたもの。早大、法大、青学大、立正大などの選手に加えて、社会人を受け皿に育成を拒んだ大学生もかなりいたといいます。ドラフト前に育成契約を拒否した高校生に至っては20人はくだらないと聞きました」と話し、今年は育成ドラフトでの指名を拒否する選手が多かったという。
昨年のドラフト1位で指名された東京ヤクルトの西舘昂汰投手が、トミー・ジョン手術を受けたために育成契約を打診されている。他にも中日ドラフト6位の加藤竜馬投手も、支配下契約を結ばないとされ、育成契約と野手への転向を球団から打診された。たとえ故障だったといはいえ、ドラフト1位指名選手が1年目で育成契約となるというのは、これまではなかったと思う。
プロ側のやりたい放題になっている育成契約や育成ドラフトの指名について、選手側の意思がドラフト会議やプロの契約の場などでこれから高まってくるのでなないかと思う。
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