大谷翔平投手との交渉、北海道日本ハムはチャンスを逃したか

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 北海道日本ハムの山田GMと大渕スカウトディレクターが、奥州市内で大谷翔平投手と両親と入団交渉を行った。北海道日本ハムは「選手育成体制についてのご紹介」という資料を基に、中村勝投手や中田翔投手、ダルビッシュ有投手などの北海道日本ハムのドラフト1位選手の成功事例を紹介、大谷投手には投手、野手の両方で育成する方針を伝えた。

 説明は約1時間だったとの事。資料としては北海道日本ハムの観客動員の推移、ファイターズが求める選手像から始まり、選手育成体制、具体的な実践例(技術・戦術、体づくり、人間・心)と、育成体制について説明、そして、日米ドラフト1位選手のレギュラー獲得状況比較、ファイターズドラフト1位選手の具体的な成功事例、社内のMLB職員経験者一覧、と続き、最後のMLB職員経験者一覧ではチーム内に16人のメジャーリーグ職員経験者が居ることを紹介した。

 交渉での感触について山田GMは、「まだ分かりません。これから家に帰って両親と相談すると思います」と話し、前回に資料についての反応も「それほどなかったということです。」だったという。ただし、二刀流についてはメジャーでは「メジャーからは不可能だといわれていたそうで、その話は喜んで少しニコッとしていました」と話した。

 また、大谷投手の父親・徹氏は、「育成面の話をお聞きしました。良かったのは、人間教育の部分が学校とイコールのところがあるのかなと。」と北海道日本ハムの育成体制を評価した。大谷投手本人の反応については「少しでも前向きな気持ちとか態度がでればいいのですが。でも、まったくノーという感じではなかったです」「帰ってから本人に確かめたいですが、全くバツだよ、ということはないと思います」と話した。前回の資料については「少し時間をかけて説明しました。表情は変わらず静かに聞いていました。資料も説明後、しばらく見ていました」と本人も資料をよく読んでいたとの事。

 そして、最終的には「資料を作って頂き、1位を外してまで指名してくれたので、自身が出席して球団の話を聞きなさいと連れてきました。」と話し、礼儀として直接交渉に本人も参加したと話し、「最後どちらになっても決めるのは本人なので、球団の話を聞いた上で回答するのがいい」と最終的には本人が決断することと話した。

 大きな変化は見られなかったのだと思う。元々、国内とメジャーで半々の気持ちだったと話しており、少しでも前向きな反応があるかと思ったが、そういう姿勢は見せなかった感じですね。

 それにしても北海道日本ハムは大きなチャンスを逃したかもしれない。山田GMは「次回交渉があれば栗山監督も参加する」と伝え、栗山監督も「僕が行くと迷惑がかかる。かからない時を待っている」と話したようだが、もし大谷投手側が次回交渉を望むとしたら、それは決断をした後に決断の結果を伝える場面となるのではないだろうか。そうなると、栗山監督が行っても時すでに遅し。メジャー入りを決断した場合は、それこそ栗山監督に来てもらっては困るのではないだろうか。

 逆に言うと次回もし栗山監督が出馬する場面があれば、それは大谷投手の気持ちが北海道日本ハムに傾いたことを意味するだろう。しかし、栗山監督が行くのであれば今回だったのではないかと思う。ドラフト1位指名に対する礼儀としては、今回本人が出席したことで果たしたことになり、次回の交渉があるかはわからないし、本人が出席するかもわからない。ほんにんに直接思いを伝えられるのは今回だけだったかもしれない。

 また、山田GMの理論的な説明が2回続いたが、気持ちの面でのプッシュもしたかっただろう。ファンの思いや日本球界の思い、そして栗山監督の熱い思いを伝えるべきではなかったかと思う。その思いを伝えるチャンスが次回あるかどうかは分からない。

 

【山田GMトーク】大谷、「二刀流」にニコッ! - サンケイスポーツ:2012/11/18

  --感触は

 
「まだ分かりません。これから家に帰って両親と相談すると思います」

 

--大谷が一番いいリアクションをしたのは

 

 「二刀流の話をしたときには、メジャーからは不可能だといわれていたそうで、その話は喜んで少しニコッとしていました」

 

 --今後は

 

 「まだ先はわかりません。次回の日にちも分かっていないので、大谷家から(連絡が)きたときに行く。いずれ球団としては予定ができれば(合えば)栗山監督も呼びたいです」

【大谷パパトーク】最後に「決めるのは本人」 - サンケイスポーツ:2012/11/18

 --進路については

 

 「私自身は以前から国内寄りではあったので。日本でプレーしてほしい気はあったので、(息子に)少しでも前向きな気持ちとか態度がでればいいのですが。でも、まったくノーという感じではなかったです」

 

 --気持ちの変化は

 

 「う~ん。どうでしょう。帰ってから本人に確かめたいですが、全くバツだよ、ということはないと思います」

 

--今後の見通しは

 

 「(前回も)資料を作って頂き、1位を外してまで指名してくれたので、(息子にも)自身が出席して球団の話を聞きなさいと、連れてきました。最後どちらになっても決めるのは本人なので、球団の話を聞いた上で回答するのがいい」

 2度目の対面でも大谷の固い意志を変えられなかった。山田GMと大渕スカウトは約1時間、プロジェクターを使用して球団の育成体制、投手と野手での「二刀流」プランを提示した。だが、大谷本人から質問はなく、あらためてメジャー一本の姿勢が浮き彫りとなった。

 

 日本ハムは育成力をアピールした。9月2日のソフトバンク戦(ヤフードーム)では高卒3年目の中村勝が先発し、4年目の杉谷、2年目の西川が先発出場した。球団にはメジャー球団の在籍経験者が16人いることも紹介。月1回の頻度で講師を招いて人間力を学ぶための講義も行っている。

 

 しかし、大谷が笑みを見せることはほとんどなかった。山田GMは「二刀流の話をしたときは非常に喜んでニコッとした」と振り返ったが、前回交渉で両親に提示した韓国人高校生のメジャー挑戦の統計をまとめた資料も「それほど反応はなかった」。入団への感触も「分かりません」と言葉を濁すしかなかった。

 

 交渉後に対応した父・徹さんは「前向きな態度は感じられなかった。でも、全く“ノー”という感じでもなかった」と18歳右腕の微妙な心情を代弁した。山田GMは「次回は栗山監督を連れてきたい」と、席上でその意向を大谷に伝えた。スポーツキャスター時代から大谷を知る栗山監督の存在は、日本ハムにとって最後の切り札となる。次回交渉は今月下旬以降。本人のメジャー挑戦の意志は固いだけに次回が不発ならば、最後の交渉となる可能性が高い。

 山田GMは言う。「メジャーに行きたいというのも、本人はパイオニアになりたいと考えている。日本球界に入ったとしてもパイオニアとして、本人が考えている通りの道にいける」。2日の指名あいさつで手渡された栗山監督のサインボールには「誰も歩いたことのない大谷の道を一緒に作ろう」と記されていた。その道こそ「二刀流」だった。この話題になると、大谷の表情が緩んだという。

 

 さらに大渕SDが作成した「選手育成体制についてのご紹介」と題した資料を提示した。高卒選手が早期に1軍で活躍している例や、人間教育に力を入れている点、球団内のMLB職員経験者が16人に及び、将来的にメジャーを目指す環境としては申し分ない。そんな内容の説明だった。

 日本ハム・栗山英樹監督(51)は満を持して、26日以降にドラフト1位・大谷の入団説得に直接出馬する。

 

 「自分が行ったら、迷惑をかけるので、かからない時を待っている」と慎重に交渉経過を見守っていたが、ついにGOサインが出た。旗色は不利なままだが、2日の指名あいさつでは、「大谷君へ 夢は正夢 誰も歩いたことのない大谷の道を一緒に作ろう」と直筆メッセージ入りのサインボールを送付。「(日本ハムに)来る、来ないということより、伝えさせてもらいたい。飛んでいきたい思い」と温めていた熱意を届ける。

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