北海道日本ハムは21日、本拠地のエスコンフィールド北海道で今年4度目となるスカウト会議を開催した。夏の甲子園までの視察結果を踏まえ、高校生、大学生、社会人の候補選手を約120人に絞り込んだ。1位候補として、地元・北海道出身で健大高崎(群馬)の最速158キロ右腕・石垣元気投手(18)や、創価大の立石正広内野手(4年)らを高く評価している模様。一方、今秋ドラフトでの指名が解禁となった米・スタンフォード大学の佐々木麟太郎内野手(20)については、今回の会議では議題に上がらなかった事を明らかにした。
道産子剛腕・石垣元気を徹底マークへ「1位の12人に入る」
スカウト会議でリストアップした選手は120人、大渕隆GM補佐兼スカウト部長は「全体像を整理した。ランキングにはほぼ触れていない。高校生はドラフト会議のリストに残す選手と残さない選手をきれいにした。大学生と社会人は都市対抗とリーグ戦をどういう風に見ていくか確認した」とこの日の会議について話した。
リストアップした選手について、高校生候補は全体の3~4割と例年より少なく、「高校生はちょっと少ない。突出した野手が結果としていない。上の方の野手が少ないという気がします」とし、野手が少なかったとした。そして、「基本的に見ている選手の確認になったので、あまり新たなことはなかった」と、夏の甲子園で新たに確認したドラフト候補などはいなかったとした。
その中で、ひときわ高く評価しているのが、地元北海道登別市出身の石垣元気投手だ。しかし夏の甲子園では初戦で京都国際に敗れ、リリーフで2イニングの登板に終わった。大渕氏は「もっと見たかったなと思います。ただ、U18に選ばれると思うんで、そこで見られれば。むしろ本人が不完全燃焼じゃないかなという気がした」と話し、9月に沖縄で開催されるU18W杯で密着マークを行う。栗山英樹CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)も31日に行われる大学日本代表との壮行試合を視察予定で、球団を挙げてその動向を注視していく。
また大学生では創価大の立石正広内野手もこれまでに高く評価しているが、栗山CBOは「どこも立石くんが欲しいと思う選手であるのは間違いない」と話し、31日に行われるU18代表と大学代表との壮行試合では「大学生と、いっぺんに見られる。意識のレベルが高い同士が戦った時にもう1回、その確認はしたい。」と話した。
佐々木麟太郎は「リストアップしていない」栗山CBOが言及
また、今秋ドラフト会議で指名可能であることが確認されたスタンフォード大の佐々木麟太郎選手については、今回の会議では議題に上がらず、現時点ではリストアップもしていないという。栗山CBOは、「麟太郎くんっていうことよりも、ほんとに選手が世界に広がってるので、そういう選手たちの確認は、たぶんどのチームもしている」とした上で、「彼ら一人一人の人生にとって何がいいのかっていうのは、みんな当然考えながら前に進んでいる。リスクを考えるよりも一人一人の選手に対してどうしてあげるのが一番いいのか考えていく」と、選手の将来を第一に考える球団の方針を語った。
そして栗山CBOはドラフト会議についても、「ドラフトって選手の評価もあるんだけど、自分たちのチームにとって3年、5年先を見て一番いい選手っていうのは当然、順位、評価が違ったりする。恋愛と一緒なんで。相思相愛の中で、我々にとって一番いい選手を」と話し、チームに一番必要とする選手を評価していくとした。
地元・北海道の逸材もリスト入り
石垣投手のほかにも、北海道関連では札幌日大の二刀流・窪田洋祐投手(3年)、北海学園大学の159キロ右腕・工藤泰己投手(4年)、高谷舟投手(4年)、木村駿太投手(4年)など5、6人がリストに含まれているという。
まずはこれでリストアップは完了し、これからリストに乗っている大学生、社会人を都市対抗野球、秋の大学リーグ戦でチェックしてゆき、またU18W杯で高校生もチェック、出場しなかった選手については練習なども視察しながら、10月にランク付けを行って10月23日のドラフト会議へと向かっていく。
石垣元気投手 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 生年月日:2007年8月16日
- 出身地:北海道登別市
- 経歴:柏木ジュニアーズ(幌別西小1年) – 洞爺湖リトルシニア(西陵中) – 健康福祉大学高崎高校(3年)
- 投打:右投両打
- 身長・体重:180cm・78kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速158キロを誇る今秋ドラフト1位候補右腕。日本ハムがドラフト1位候補としてリストアップ。2025年夏の甲子園2回戦で甲子園最速タイの155キロを2度マーク。昨春のセンバツ優勝投手。4季連続の甲子園出場。憧れの選手は日本ハム・伊藤大海。







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