ソフトバンク、石川昂弥選手の1位指名は夏前から決めていた、3カ月の演技を検証してみる

石川昂弥

福岡ソフトバンクは、石川昂弥選手のドラフト1位指名を、夏前から決めていたことが分かった。

3か月以上の演技

サンケイスポーツのコラムによると、福岡ソフトバンクは夏前に東邦の石川昂弥選手の1位指名をスカウト内できめており、王会長にも話していたことが分かった。

王会長は17日のドラフト会議後に、「みなさんをだましてでも、と思ったんだけどね」と話し、石川昂弥選手を獲得できなかった事を残念がったという。その、「だまして」という所は、前日のスカウト会議で、「どれだけ散らばるかだね。少ないにこしたことはない。投手は絶対に欲しいよね」と話し、1位指名を公表しなかった事についての事だと思われたが、実は、夏前にはスカウトより石川昂弥選手の1位指名を伝えられており、約3か月にわたって演技を続けていたのだという。

永井編成部長も「みなさんには申し訳なかったですけどね」と話し、「実はスカウトの中では、すごく早くから決めていて。夏前には王会長にそういう話をさせてもらいました。こういうドラフトになることは分かっていたので」と本当のことを話し始めた。

夏前と言えば、石川選手はU18で木製バットを使って活躍する前の時期で、センバツの決勝で2本塁打を放ち、エースとして完投して優勝した後、春は疲労などから思うようなプレーができない状態が続いていていた頃、または愛知大会が始まり東邦が2回戦で敗れた7月13日の前後には決めていたことになる。

球団内では、佐々木投手や森下投手、奥川投手などを評価しながら、この3人に指名が集中する展開を予想していた。その中で、「あれだけいい投手たちがいる中、そこまで石川を推せるスカウトが他球団にいるのか。逆にうちがいうことで、勇気を与えてしまうこともあるかもしれないと思った」と、福岡ソフトバンクが石川選手を高く評価しているという情報が流れると、野手の補強も目指す他球団も、言われてみればそうかも、と石川選手や他の野手を見直す動きがでて、結果的に石川選手の評価が急上昇する可能性があると考え、あえて佐々木投手など投手を高く評価する演技を続けていたという。

ここでソフトバンクのスカウトのコメントなどを見直してみる。

7月16日:明治大森下投手に永井編成部長:「直球はスピードガン以上にいい。全日本大学選手権の時からどんどん状態が上がっている。経験値はアマ野球選手でトップだし、プロに入っても順応しやすいと思う。」

7月18日:大船渡・佐々木投手に三笠GM:「素晴らしい。ぴゅっと投げて150キロ、それでもMAXじゃないとは。変化球もしっかりしている。日本の将来を背負うような投手だということは分かりました。今年は彼を中心としたドラフトになることは間違いない。12球団全部1位指名でもおかしくない。明日連れて帰って投げさせたいくらい」

8月16日:U18ワールドカップにソフトバンクは全スカウト9人を派遣のニュースで、福山アマスカウトチーフ:「特に今年は佐々木君をはじめ、有望な選手が多い。絶対に抜け漏れが無いようにしたい」と話し、佐々木投手について「国際大会という舞台、リミッターを外した最高のパフォーマンスを見逃さないようにしたい」という。

8月26日のU18壮行試合でソフトバンクは11人態勢で視察し、佐々木投手に永井スカウト部長:「ボールにしっかりと力が伝わっている。大学生相手に十分すぎる内容。伸びしろという部分では一番いい。これからどう伸びていくんだという楽しみが大きい。当然です。今度は韓国で米国と戦うときの投球が見たい。本能で投げるところが見たい」
 また、森下投手に永井部長:「今日は短いイニングで力を入れて投げていたけど、良いボールを投げていた。完成度が高い。直球主体で投げて、直球で空振りが取れるのが評価できる。まちがいなく上位候補。」

9月2日:U18ワールドカップでブルペンで登板する佐々木投手に福山スカウトチーフは「150キロ近く出ているのでは」
また、永井球団統括本部長も「血マメを心配していたけど、大丈夫そうだね。本人は気にしてないと思う。全然投げられた」

9月5日:U18ワールドカップのカナダ戦で奥川投手の18奪三振の投球に山本スカウトは「良すぎ。自分の思ったところに投げられているから、ストライクゾーンにも対応できる。まだ体が重そうだが、それでも150キロを平均して投げられるのが」

9月6日:佐々木投手が血マメのため韓国戦で1イニング品投げられなかった事に、永井スカウト部長:「今日を参考にするとかわいそう。制球で苦しむタイプではない。マメが気になったのでしょう。もう少し見たかったです」

10月3日:佐々木投手がプロ志望会見後に三笠GM:「千賀くんのように、世界を代表するようなピッチャーになれる素材。ピッチャーとしては大谷くんより、素材が上じゃないかというのがスカウトの評価」

10月10日:佐々木投手の面談に福山チーフスカウト、作山チーフスカウト補佐など3人が参加し、福山チーフスカウト:「最上位候補の1人、私の20年のスカウト人生の中で、彼ほどの素材感は見た事がない。最終地点が想像つかない」
 「もの静かというか、練習も視察しているので話した感じはイメージ通り。練習から自分で考えてやる選手なので、しっかり人の目を見てうなずきながら話を聞いていた。印象はすごくよかった」

そして16日のスカウト会議、17日のドラフト会議へと進んだ。

振り返ってみると「騙された」という感じ。さすがです。三笠GMは本当に石川選手の1位指名を知らなかった可能性も無きにしも非ずですが、そのコメントを信じました。

結果的に石川選手はU18で木製バットでホームランを放つなど、大活躍を見せ、ドラフト会議では中日、オリックスなど3球団が重複し、中日の手に渡ったものの、中日ももしかするとかなり早い段階で石川選手の1位指名を決めていたのかもしれないという感じもする。(オリックスは直前だったと思うが)

ドラフト会議、表面で見えているのは本当に一部だけだというのが分かる。だから面白い。

素晴らしいソフトバンクの演技でした。完全に打ち取られていました。来年からは、この可能性も考慮しながら予想したいと思います。

福岡ソフトバンクホークスのドラフト会議メインページ

永井智浩編成育成本部長も「みなさんには申し訳なかったですけどね」と苦笑い。1位・石川を決めた時期を問われ、舞台裏を明かした。

 「実はスカウトの中では、すごく早くから決めていて。夏前には王会長にそういう話をさせてもらいました。こういうドラフトになることは分かっていたので」


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