東京ヤクルトから育成ドラフト1位指名を受けた川崎総合科学高校の小宮悠瞳(ゆめ)投手(18)が27日、川崎市内の同校で指名あいさつを受けた。中学・高校と強豪クラブチームではなく部活動で野球を続けてきた最速143キロ左腕は、「野球エリートと呼ばれる人たちには絶対に負けたくない」と雑草魂を宣言。メッツ・千賀滉大投手のような育成からの下克上を果たし、家族に恩返しすることを誓った。
雑草魂で目指す千賀ロード
強豪私学のような充実した環境ではなく、市立の中学・高校の部活動で黙々と実力を磨いてきた。中学3年で外野手から投手に転向し、高校入学時は130キロほどだった球速は140キロ台半ばまで上昇。そのポテンシャルがプロの目にとまった。
「自分はクラブチームに入るわけでもなく、市立の中学、高校でずっと部活をやってきた。野球エリートと呼ばれる人たちには絶対に負けたくない」と、小宮悠瞳投手は強いハングリー精神をのぞかせた。目標に掲げるのは、同じく育成から球界を代表する投手へと羽ばたいたメッツ・千賀滉大投手。「将来的には最多奪三振と最多勝を取ってみたい」と、大きな野望を口にした。
青木GM補佐はオリックス・田嶋になぞらえ高評価
4人兄弟の長男である小宮投手は、家族への金銭的な負担を考え、大学進学ではなく育成契約でのプロ入りを決断した。「今まで迷惑を掛けた面もあったので、1年でも早く親に恩返しをしたい。家族を球場の一番いい席で自分の投げている姿を見てほしい」。その孝行息子の才能を、球団も高く評価している。
指名あいさつに訪れた青木宣親GM特別補佐は、そのしなやかな腕の振りに、オリックスの左腕・田嶋大樹投手の姿を重ねた。「伸びしろがまだまだすごくある。オリックスの田嶋みたいな感じになってくれれば。腕がしなる感じのイメージ」。投球を見るとその素晴らしさを感じることができる小宮投手、どんな投手になるのか非常に楽しみだ。
小宮 悠瞳 プロフィール
- 氏名:小宮 悠瞳(こみや ゆめ)
- 所属:川崎総合科学高校 3年
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2025年育成ドラフト1位(ヤクルト)。最速143キロ。中学3年で投手に転向。強豪チームの経験がない“雑草魂”を武器に、育成からの下克上を目指す。








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