阪神は、ドラフト2位で指名したJR東日本・伊藤将司投手に、畑山統括スカウト、平塚スカウトが指名あいさつを行った。横浜高、国際武道大、JR東日本でエースのプライドを持ち続けた左腕が、プロでもエースの座を奪う。
エースのプライド
伊藤将司投手は178cm85kg、球速は最速146キロと、「左は5キロ増しで評価する」とは言うものの、現在のプロ野球では左でも150キロ台を出す投手が増える中、だいたい142キロ前後の球で勝負する伊藤投手は球速では物足りないと感じるかもしれない。
しかし、横浜高校ではエースとして2年夏、3年春の甲子園に出場し、国際武道大では3年春にMVPなどリーグ通算24勝を挙げ、また2年、3年で侍ジャパン大学代表入りしをしている。常にエースとして投げ続けてきた。
その伊藤投手だったが、大学時代にプロ志望届を提出したものの、ドラフト会議で指名がなかった。それでもエースのプライドを持ち続け、JR東日本では1年目からしっかりと結果を残す。そのおかげで、今年は新型コロナの影響で大会が無くなりアピールする機会が減る中でも、高い評価を維持した。
そして勝負の秋、都市対抗東京地区2次予選の第1代表決定戦で、NTT東日本の佐々木健投手(埼玉西武ドラフト2位)と投げ合い、9回1アウトまでノーヒットノーランという見事な9回1安打完封勝利を挙げ、プロ入りを掴んだ。
カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップなどを制球良く操り、ストレートもその中の変化球の一つと思わせる。そのくらい同じフォームから狭いピッチトンネルを通して様々な変化球を投げられる。また140キロ前半のストレートも遅く感じないのも特徴だ。回転数などで高い数値を出すものとみられる。
阪神は伸びのあるストレートが持ち味の高橋遥人投手が左の先発を務め、また岩貞祐太投手や岩崎優投手など、いろんなタイプの左腕投手が1軍で実績を残している。湯船投手や井川投手なども活躍しており、伊藤投手も左の1枚として大きな戦力となると思う。



コメント