阪神は兵庫県西宮市内の球団事務所で、今年6回目となるスカウト会議を行った。地方大会で敗退した高校生や日米大学野球の意見交換の他に、2027年から導入されるDH制に向けて、打撃に特化した野手を今後、リストアップしていく事も決められた。
DH制導入に向けて
先日、決定したセ・リーグのDH制導入について、2027年からスタートすることから2025年と2026年のドラフト会議で、その陣容を整えることが急務となる。
8月4日にセ・リーグ理事会に出席した蔦村球団本部長はDH制導入について、「チーム編成にも1年半かけるべき。現場が考える時間もいりますよ」と編成にある程度の時間が必要であると話しているが、「DHになったからといって、打順の組み合わせ。外国人を入れてというものでもない」と話し、「得点力を上げるには、どういう並びがいいか、どういう選手を置いた方がいいか。既存の選手との兼ね合いも含めて、取ってくる選手もいろんな想像はできる」と補強についてのビジョンについても話していた。
この日のスカウト会議では、打撃に特化した野手を今後リストアップしていく事が、各担当スカウトに周知された。これからは、これまで守備の課題によりリストアップを見送っていた選手などをリストに入れていく他、2025年と2026年は、そういう選手をリスト化してドラフト会議でも重点的に指名していく可能性もありそうだ。
石垣元気投手、立石正広選手を中心に密着マーク
またこの日のスカウト会議では、この日開幕した甲子園大会までに、地方大会で敗れた高校生のドラフト候補、また7月に行われた日米大学野球の出場した選手についての意見交換も行われた。
具体的な今年のドラフト会議に向けた選手については、新たな情報は無く、これまでの方針と変わらず、大学生内野手の立石正広選手(創価大)、高校生投手の石垣元気投手(健大高崎)を中心にマークを続けていく。
6月24日のスカウト会議では「今年のドラフトは大学生が中心になる」と話しており、大学生野手では立石選手を中心に日米大学野球に出場した大塚瑠晏選手(東海大)、秋山俊選手(中京大)、小田康一郎選手(青山学院大)、小島大河選手(明治大)、平川蓮選手(仙台大)たちが、また大学生投手でも、東北福祉大の堀越啓太投手、早稲田大の伊藤樹投手をリストアップしているが、こちらも日米大学野球に出場した中西聖輝投手(青山学院大)、櫻井頼之介投手(東北福祉大)、齊藤汰直投手(亜細亜大)などもこの日、会議の議題には出ていると見られる。
また高校生では石垣投手の他に延岡学園の藤川敦也投手、滝川高の新井瑛太投手をリストアップしていたが、新井選手は進学を表明した。この日も進路についての確認なども行ったとみられる。
ドラフト会議まで目まぐるしいスケジュールで
今後は昨日から開幕した夏の甲子園大会に出場する選手を、幹部も含めて複数のスカウトでチェックしていくほか、8月28日に開幕する社会人野球の都市対抗野球本戦、そして、8月31日に行われる侍ジャパンU18代表vs大学代表の壮行試合や、9月5日に沖縄で開幕するU18W杯などをチェックし、大学野球の秋のリーグ戦へと向かっていく。
各球団の選手のリストアップや評価づけは、以前は夏の甲子園前には完了している球団も多かったが、近年はドラフト会議直前まで行われ、戦いが終わった高校3年生については、9月、10月の練習を視察して評価が行われたりもするようになった。目まぐるしいスカウト活動の中で、DH制導入や、甲子園大会の日程の変更などにも対応しながらスカウト活動を続けていく。
なお、阪神のスカウトは情報管理の関係で、9月に入ると基本的にはコメントを出さなくなる事には留意したい。


“打撃特化型野手”を阪神リストアップへ スポーツニッポン紙面


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