北海道日本ハムのドラフト1位ルーキー、大谷翔平投手も調子が上がってきた。
大谷投手はオリックス戦で先発し練習していたフォークを解禁すると、130km/h後半で鋭く沈む球にオリックス打線が面を食らい、フォークを意識しすぎてストレートに詰まるなど、6回2/3で4安打9奪三振1失点と好投を見せた。大谷投手は「前半戦からフォークは全然、投げてなかったけど外国人が多いし、振ってくれるかなと思った」と話し、フォーク解禁に手ごたえを感じたようだ。
大谷投手の凄さは150km/hを常時するストレートに加えて、多彩な変化球を難なく投げこなす起用さもあることだろう。高校時代から見せていた鋭いスライダーに加え、プロでチェンジアップとフォークを磨き自分の物にしつつある。
高校野球で全国制覇しプロでも既に9勝を挙げている藤浪晋太郎投手に実績ではまだまだ及ばないが、一つ一つの球の凄さを感じさせるのが大谷投手だろう。しかしこれまでの8試合ではこれだけの球を持ちながら三振を奪えていなかった。チェンジアップやスライダーだとストレートのタイミングで待っても当てられるような、フォームの違いのようなものがあったのだろう。しかしフォークはストレートに近い腕の振りで投げられているのだろう。打者もこれから苦労する事になりそうだ。
登板日 | 対戦相手 | 登板 | 回 | 球 | 被安 | 三振 | 四死 | 自責 | 勝敗 |
5月23日 | 東京ヤクルト | 先発 | 5 | 86 | 6 | 2 | 3 | 2 | なし |
6月1日 | 中日 | 先発 | 5 | 87 | 4 | 4 | 3 | 3 | 勝利投手 |
6月18日 | 広島 | 先発 | 4 | 81 | 4 | 4 | 4 | 3 | なし |
6月26日 | 福岡ソフトバンク | 先発 | 6 | 98 | 4 | 5 | 3 | 3 | なし |
7月4日 | 福岡ソフトバンク | 先発 | 5回2/3 | 107 | 6 | 2 | 4 | 1 | 勝利投手 |
7月30日 | 千葉ロッテ | 先発 | 4 | 80 | 4 | 3 | 4 | 5 | なし |
8月9日 | 千葉ロッテ | リリーフ | 2 | 30 | 1 | 3 | 1 | 0 | なし |
8月18日 | 福岡ソフトバンク | リリーフ | 1 | 25 | 1 | 1 | 0 | 0 | なし |
8月23日 | オリックス | 先発 | 6回2/3 | 110 | 4 | 9 | 3 | 1 | 勝利投手 |
通算 | – | – | 39回1/3 | – | 34 | 33 | 25 | 18 | – |
空気を切り裂いた白球は、一瞬で打者の視界から消えた。6回先頭、2ストライク。大谷が初球から3球続けたフォークに李大浩のバットは空を切った。「前半戦からフォークは全然、投げてなかったけど(オリックスは)外国人が多いし、振ってくれるかなと思った」。毎回の自己最多9Kのうち3つをフォークで奪った。ダル超えのデビュー3連勝を決めた。
7月30日以来の先発マウンド。投手として初対戦のオリックスに初回、四球から先取点を献上したが、立ち直った。楽天・田中のスプリットを彷彿(ほうふつ)とさせる130キロ台後半のフォークを駆使。6回以降は25球のうち14球を投じた。「高校時代より握りを浅めにして、コントロールを重視しました。(田中と比べ)落ち幅にムラがあるけど精度を上げて、後半戦はどんどん使いたい」。開幕からブルペンでもほとんど投げていなかった球種を軸に、自己最長6回2/3、最多の110球を投げ4安打1失点。3勝目をつかみとった。
これまで直球、スライダー、カーブの組み立てだった配球ががらりと変わった。130キロ台半ばで縦に鋭く落ちる球にオリックス打線が面食らった。「フォークを意識してくれたらと思って。外国人バッターも多いし、振ってきてくれるかなと試合の中で試しました」。6回は初回に適時打を浴びた李大浩(イ・デホ)をフォークの連投で3球三振に斬って取るなど、9三振中3つを新球で奪った。
花巻東でもほとんど使わなかった球。プロではブルペンでも投げていなかったが、落ちる球の必要性を痛感。抜いて落とすチェンジアップではなく腕を振り切るフォークを選択した。高校時代より浅く握ることで制球を重視した新球を、7月下旬からわずか2週間足らずでものにした。「僕もきょう知りました。一つの武器として使えますね」とリードした大野も絶賛すれば「いいきっかけになりました」と大谷も手応えを話した。当初は次回先発まで中10日前後を空ける予定だったが、この試合の好投で栗山監督は「間隔を詰める可能性はある」と中6日のローテーション投手として回していく可能性も示唆した。
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