FA宣言をしていた大山悠輔選手が、阪神と年俸3億4000万円プラス出来高の総額20億円の5年契約で合意し残留が決まった。蔦村球団本部長は「タイガースを選んでいただいて本当にありがとう、という言葉をかけさせていただきました。」と話した。
決断は29日
大山選手には巨人が交渉に臨み、阪神の条件を上回る6年24億円以上の条件を提示した他、阿部監督も直接交渉に臨んだ。また、坂本選手や岡本選手からもラブコールを送られ、大山選手も「正直に言えば、五分五分どころか移籍に気持ちが傾いた日もありました。人生は一度きり、一野球人として新天地で挑戦するのもプラスになる、新しい発見があると考えたのです。」と話した。
それでも最終的に決断をしたのはこの日、29日だった。前日の阪神の選手会納会に出席し、「一番が多すぎて。本当にいっぱいあるんですけど、監督、コーチ、スタッフ、裏方のみなさん、あとはチームメート。もう一回、優勝、日本一を達成したい。その気持ちはすごくあります」と、今のチームメートでもう一度日本一をしたいという思いで残留を決めた。
また、ファン感謝デーで「スタンドに、多くの僕の赤いタオルを披露してもらって、すごくうれしかった。そのタオルをもっともっと増やしたいと思った」と話した。
来年
11月13日にFA行使を表明し、思い悩んだ2週間が終わり、5年契約で阪神に残留をする決断をした大山選手について、蔦村球団本部長は「タイガースを選んでいただいて本当にありがとう、という言葉をかけさせていただきました。覇権奪回に向けて、なくてはならない選手でしたので」と話した。
これでチームの主軸が残留する形となり、次は同じくFA宣言をしている原口文仁選手の慰留に務める。
来年にも影響しそうだ。来年は同じく阪神の主力で欠かせないキーマンの一人・近本選手はFAの権利を取得する。近本選手は大山選手の残留について「またタイガースで優勝したいねとは言っていたので、また来年できるように一緒に頑張ろうという話をしました」と話して喜んだ。
また、来年の自身のFAについては「まだ取ってないことですし、何も言うことはないかなと。言えることもないです」と話すものの、今年FA権を取得していた坂本誠志郎捕手などと情報を共有するなど、来年のFAに向けて考えている事を話していた。坂本選手、大山選手がチームに残留した敬意や考えは、影響してくるものと見られる。
また、ドラフト会議の指名にも影響してくるかもしれない。大山選手が5年という契約になったことから、即戦力で一塁、三塁の強打の内野手を最終戦で指名するという必要はなくなったと言って良いだろう。ただし、佐藤輝選手、森下選手、大山選手という主軸に、創価大・立石正広選手が加わることで更に強打線が構築できる可能性もあり、また、残留したとはいえ大山選手のポジションを独占状態にはしておかないと見られ、立石選手を取りに行かないという事にはならなさそうだ。
ただし、最優先事項では無くなかったことから、来年のペナントレースの戦いによって、投手が必要となれば投手の指名となるかもしれないし、将来のポスト大山の獲得となれば、高校生のスラッガーを指名する事になる。
いずれにしても阪神の編成の大きな影響を及ぼしたかもしれない大山選手の移籍が無くなり、チーム作りを順調に進めることができるようになりそうだ。
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