前橋育英・高橋光成投手が5回3安打10奪三振に同点3ベース、花巻東・岸里亮佑選手がバックスクリーン弾

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 ベスト8の熱戦、ドラフト候補選手達が躍動している。

 3試合に完投し防御率0.00の前橋育英の2年生・高橋光成投手は、この日は0-2の6回からマウンドに登り、9回には三者連続三振に切って取るなど4イニングを無失点に抑える。

 チームは常総学院・飯田晴海投手の好投で9回まで抑えられたものの、飯田投手が熱中症の疑いで降板すると、高橋光成投手が打席に入り、同点に追いつくタイムリー3ベースヒットを放った。そして10回も無失点に抑えると、チームはその裏にサヨナラ勝利した。5回を投げて3安打10奪三振無失点、この投球が前橋育英に奇跡の逆転勝利につながった。

 花巻東は6回に高校通算31本塁打を記録していた岸里亮佑選手が、バックスクリーンにホームランを放ち先制した。岸里選手は140km/h中盤の速球を投げて背番号1をつけるが、50m5.9秒の足と高校通算32号となった長打力にプロも注目している。このホームランで全国でも長打力を示した。身体能力の高い選手だけに、今年のドラフト指名があるかもしれない。

花巻東・岸里、じぇじぇじぇ弾!雄星先輩に並んだ  - サンケイスポーツ:2013/8/20

 「外角の高め真っすぐ。シャープに振り抜けた。走者を打って返すのが自分の仕事です」

 高校通算32号となる先制2ランだ。岸里は17日の済美戦(3回戦)で4番手で登板。延長十回、注目の安楽に3ランを浴びた。その悔しさをバットで晴らした。チームはその裏、一度は逆転を許すが、八回にラッキーな安打もあって再逆転に成功した。菊池雄星(西武)を擁した2009年以来、4年ぶり2度目の4強進出を果たした。

 岸里は右投げ左打ちで背番号1。高校入学後、野球部寮では1年間、1歳上の大谷翔平(日本ハム)と同部屋だった。幾多の教えを受ける中、打撃論が特に印象的だった。「右投手は十分引きつけて体の軸で打て! 左投手こそ踏み込んで打て!」。この日の快音は大谷が打たせた一打でもあった。

 両腕を精いっぱい伸ばし、長身188センチの高橋光が外角のスライダーに食らいついた。2点を追う9回2死二、三塁。「ここで凡退したら、もう3年生とプレーができない」。思いを込めた白球が右中間を切り裂いた。「足は速くないけど、一生懸命走った」。敗戦まであと1死からの同点三塁打。握り締めた両拳を、沸き立つ一塁ベンチに向けた。

 野球漫画のような、出来すぎたストーリーだった。9回2死無走者。小川駿輝の打球は相手二塁手の正面に転がった。終わった…。3万6000人の観衆の誰もが、そう思った瞬間、二塁手がまさかのファンブル。そこから板垣文哉が二塁打でつなぎ、エースの同点打が生まれた。

 そして、延長10回。3番・土谷恵介のサヨナラ打で決着。雄たけびを上げてベンチを飛び出した高橋光は「うれし過ぎて、勝利の瞬間は覚えていません」。記憶が飛ぶほどの興奮が、ヒーローの全身を包んだ。

 ミラクルを呼んだのは魂の奪三振だった。3試合連続完投の疲労を考慮され、初のベンチスタート。6回、同級生の喜多川省吾からバトンを受けた。だが連投の体は限界に近かった。肘は張り、握力が弱ってボールを強く握れない。「強気、気持ちで押すしかない」と毎回三振を奪った。7回2死満塁の打席で右膝に自打球を当て、空振り三振に倒れた。「痛みは忘れた。打てなかったことが悔しくて絶対負けられないと思った」。エースのハートに火がついた。

 8回には振り逃げと安打、四球が絡み2死満塁のピンチ。打席に迎えた相手エース・飯田晴海に、フルカウントから投じたのは、ド真ん中のストレート。しかし、この日最速145キロに飯田のバットは動かない。見逃し三振―。「三振を取れれば、守備からリズムが作れる」。5イニングで4者連続を含む10奪三振。4戦で32回を投げ、防御率はいまだ「0・00」だ。

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