安楽智大投手が146km/hで7奪三振完封、10球団28人のスカウトが視察

安楽智大, 済美高

 高校1年時から150km/hを連発し、2年時にはセンバツで準優勝、その夏に最速157km/hを記録した済美・安楽智大投手が最後の夏に向けて始動した。肩の故障以降初の公式戦となる三島高校との1回戦で先発すると、9回を5安打7奪三振無失点で完封、最速146km/hを記録した。

「ひとこと、うれしい」

 297日ぶりの公式戦登板だった。初回に2連打でピンチを招くも無失点に抑えると、中盤は重いストレートで打たせて取るピッチングを見せる。味方も点が奪えず0-0で迎えた8回裏に2アウト3塁のピンチを迎えたが、ここで安楽投手は「苦しい時に抑えるのがエース」と145km/hのストレートで三振を狙って奪った。

 9回表は自らのヒットも絡めて一挙に8得点すると、9回は3つの内野ゴロで締めた。9回を投げて5安打7奪三振2四死球無失点の完封勝利だった。

 試合後に安楽投手は「ひとこと、うれしい」と話し、この日の投球までのつらくて長い時間をかみしめた。そして8回の場面について、「去年までの自分ならうたられていた場面」と話し、「抑える事ができたのは成長だと思う。負けなかった事、点を与えなかった事に関しては100点に近い」と合格点を付けていた。

 

巨人5人、阪神5人

 この日は10球団28人のスカウトが視察に訪れた。中でも巨人は山下哲治スカウト部長など5人、阪神も予告通り中村勝広GMなど5人で視察をした。

 阪神・中村GMは「ピンチでもビシッと決められるのは、堂々たるもの。まだまだ磨けば光る素材、かなり腕も触れている。回復している印象」と故障からの回復を認めた。

 巨人・山下スカウト部長も「スケールが大きい。評価Aは間違いない。数字が戻れば十分1軍の戦力になる」と話し、球速が戻れば1軍で活躍できると評価をした。

 その他、埼玉西武・渡辺SDなど各球団の首脳クラスが姿を見せ、注目度の高さを示した。

 

安楽投手の評価ポイント

 まずは復活の投球を見せた。150km/hを記録するかにも注目が集まるが、まだその段階では無いと思う。練習試合でも好投した翌日は失点を重ねたりしていた。まずは今日のようなピッチングが続けられるかがポイントとなりそうだ。

 スカウトにとっては球速よりも腕が振れている事がチェックポイントとなった。素質は1年生、2年生の時に評価済みなので、あとは故障の影響がどれくらいだったのか、復活しているのかが判断ポイントとなる。

 この日は「腕が振れている」というコメントもあり、故障の懸念は払しょくされたのではないかと思う。そうなると、プロ入り後に150km/hを投げる大型右腕としての姿が見え、ドラフト会議では目玉候補として1位競合もありうるだろう。

 アドレナリンが噴き出した。0―0の8回2死三塁。安楽は三島の4番・尾崎を迎え、打たせて取るつもりはなかった。2ボール2ストライクと追い込み、最後は外角に145キロ直球で空振り三振。「ピンチこそ、三振を狙うところ」と力でねじ伏せ、雄叫びを上げた。気迫の投球が直後の大量8点の勝ち越し劇を呼んだ。

 「昨年までなら打たれていた。抑えることができたのは成長だと思う。負けなかったこと、点を与えなかったことに関しては100点に近い」。昨年9月の秋季県大会で右肘を故障し297日ぶりの公式戦マウンド。ブランクの影響は大きく「夏の雰囲気に入り込めず、やばいと思った」という。最速は146キロ止まり。それでも尻上がりに調子を上げ、習得中のスプリットも駆使して7三振を奪った。116球での完封発進。完全復活とはいかなくても、エースの役目を全うした。

 中略 

 最速157キロ右腕の今夏初登場に、ネット裏には10球団28人のスカウトが集結。巨人、阪神はともに最多の5人態勢で安楽を視察した。巨人・山下哲治スカウト部長は「やはりスケールが大きいし、Aクラスの評価。数字(球速)が戻ってくれば、十分1軍の戦力になる」と即戦力として期待。阪神・中村勝広GMも「ケガの箇所を気にしていないし、腕も振れている。直球が魅力。まだまだ磨けば光る素材」と将来性の高さを評価した。

 今秋ドラフトの目玉の本格復帰戦とあって、10球団28人のスカウトが愛媛まで駆けつけた。巨人・山下哲治スカウト部長は「スケールが大きい。完投能力があるし、評価がAクラスなのは間違いない」と高く評価した。5日の練習試合に続いて今月2度目の視察となる阪神・中村勝広ゼネラルマネジャーは「堂々たるもの。V字回復継続中。まだまだ投げれば光る素材」と絶賛した。

  宣言通りの投球でチームに流れを持ってきた。試合前に「160、161キロを出しても勝たないと意味がない。エースとして、点を与えないのが僕の仕事」と誓ってマウンドへ。自己最速157キロを誇る直球は146キロ止まり。球が走らず、ボールが先行する苦しい場面もあった。0―0の8回には2死三塁の危機を迎えたが「ヤバいと思ったが、ピンチのときこそ三振を狙った」。4番打者を真ん中やや外寄り、145キロの直球で空振り三振に仕留め、こん身のガッツポーズ。最後まで得点を許さなかった。

 阪神は中村勝広GM、佐野仙好アマ統括スカウトら最多5人が熱視線を送った。5日の練習試合・鳴門渦潮戦に続き、この夏2度目の安楽視察となった中村GMは「右肘を気にしているそぶりもないし、順調に戻ってきているね」と故障の回復ぶりに安心の表情。さらに「堂々たる投球だった。まだまだ磨けば光る素材」と157キロ右腕の将来性に太鼓判を押した。


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