2年生夏はベスト4、3年生春は優勝をした甲子園の申し子、敦賀気比・平沼翔太投手が2回戦で姿を消した。最後は18安打8失点とまさかの大量失点だった。
インコース封じ
1回戦で明徳義塾と対戦し、相手の分析力で甲子園で初戦敗退のなかった馬淵監督をしても、実力でねじ伏せた平沼投手だったが、この日は花巻東のインコース封じにはまり、18安打を浴びた。
花巻東の打者は左右関係なく全員がバッターボックスのベース近くに立ち、インコースのスライダーや厳しいところへの球を封じた。これにより平沼投手は「分かっていたが、当てたらと思ってしまった」と話し、外角スライダーを中心とした投球となったが、そこを狙われた。
平沼投手は「自分の持てる力はすべて出しきれた。実力不足。18安打されたのは初めて。調子は悪くなかった」と話す。しかし、「さすが」と思わせる投球術やコントロールを見せたものの、昨年にくらべると勢いも感じられなかった。
センバツで優勝をして達成した感もあったかもしれない。投球をみると、社会人野球でレジェンドと呼ばれる投手のような雰囲気を感じた。
投手としてプロで
平沼投手はプロのスカウトからは投手よりもミート性が高いと評価される打撃に注目されている。しかし平沼投手は試合後、「これからも野球は続けますが、ピッチャーとしてやっていきたいです」と話し、これからも投手としてマウンドに立つという意思を伝えた。
また、「一番上でやります。打たれたままで終わりたくない。自分を磨いていい投手になります」と話し、プロ志望することを示唆した。
投手として甲子園で10勝、打者としても今大会は8打数5安打を記録した。投手としては評価は難しく、プロのスカウトの判断に注目される。
投手として甲子園10勝、打者として打率・375、8打点、1本塁打の逸材はプロが注目している。「一番上でやります。打たれたままで終わりたくない。自分を磨いて、いい投手になります」。高い目標があるからこそ、甲子園の土を持って帰らなかった。
平沼は「春の優勝後、いろんなプレッシャーもありましたが、できることはやりきりました」と涙は見せなかった。プロ注目のエースで4番は「これからも野球は続けますが、ピッチャーとしてやっていきたいです」と、甲子園を去った。
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