横浜高・及川雅貴投手が152キロ記録も5失点、良い所、良くなかった所は?

高校野球ドラフトニュース 2019年ドラフトニュース

高校四天王の一人で唯一の左腕、横浜高の及川雅貴投手だったが、センバツ大会では初戦で敗退をした。それでも甲子園球場の表示は最速146キロだったが、スカウトのスピードガンでは150キロ台を出しており、最速は152キロだった。横浜高・及川雅貴投手のスカウト評価まとめ

良かった所

球速はこれまで最速は153キロ、この日は甲子園表示は146キロだったが、視察した日米16球団以上のスカウトのスピードガンでは150キロ台を出しており、北海道日本ハムのスピードガンで最速151キロ、福岡ソフトバンクのスカウトのスピードガンでは152キロを記録した。左腕投手では菊池投手が2009年に152キロを記録しているが、それに並ぶ数字だった。

体がやや大きくなり、大きなスタンスから勢いよく腕を振ることができ、投球フォームに引っ掛かる点などは見当たらなかった。スカウトのコメントでもフォームの良さ、腕のしなりなどが良い点として指摘されている。

良くなかった所

その①:ストレート

ストレートの球速は出ていたものの、今の高校生は球に当てることができ、金属バットであれば外野の頭を超していく。それでも明豊打線はコツコツと当てるのではなく、しっかりと振ってきた。まずは体の開きが早く、腕の出が見えやすいと思った。球速は出ていてもタイミングが取りやすくなる。日刊スポーツでは西本氏が、

それとテークバックの際に左手が後ろ(三塁側)に入りすぎる。これでは肘が出てこないし右肩の開きが早くなる。開きが早くなれば打者はボールの出所が見やすくなり、タイミングが取りやすくなって、バットに当てやすくなる

と指摘している。

また投球のタメがなく、腕の振りが良いものの、とにかく思い切り投げる事だけという感じで、バッターのタイミングを外す要素が少なかったように思う。

その②:制球

今回の投球はすべて制球という所に行きつく。ストレートとスライダーを思う所に投げられず、投げ急ぎ、カウントを悪くして長打を浴びた。中学時はもっと起用な投手に見えたが、ストレートの球速を落としてストライクを取りに行くというのが難しい投手なのかもしれない。続けて良いところに投げられるような事ができず、ストレートでストライクが奪えないため、変化球が増えた。

また、投球間隔が非常に短く、3回に四球を連発した時も、捕手からの送球を受け取ってからすぐにモーションに入る。投げ急ぎという雰囲気だが、緊張感もあったのか、ボールが先行するとすぐに投げたがっていた。及川投手も「力んでしまった。これが今の実力です」と話しているが、マウンド上でまだ余裕を持つ所まで行けていなかった。

その③:変化球

変化球は、伝家の宝刀スライダーは素晴らしい曲がりだったが、低めからワンバウンドになる球と、やや抜けて高めに行く球が多く、1種類の動きしかなかった。またこの冬に取り組んだチェンジアップも、「まだ怖さがありました」と1球も投げず、昨秋同様に、ストレートとスライダーの2種類だけだった。

それでもまだ空振りが奪え、カウントを整えられたので、初回からとにかくスライダーが多かったが、奥川投手の投球を見ていると、制球も、そしてスライダーの種類の多さもまだ少ない。

その④:バッテリー

制球という所にすべて行きついてしまうが、それでも高校野球の審判ならばストライクを取ってくれそうな球もかなりあった。しかし捕手の構えやキャッチングが、いろいろと動く所があり、逆に審判に取ってもらえなかったかもしれない。

一度構えてからミットを下におろし、そしてキャッチングのところで、妙な出し方で捕球して動かす。捕手は投げ急ぐ及川投手に少しタイミングを取らせたり、コントロールが悪い時は、目標をしっかりさせるために、ミットをコースに構えたら動かさずにいてほしい。

この日は、2年生投手2人も投げたが、松本隆之介投手、木下幹也投手の良さも出せていなかった印象がある。及川投手にはとにかくスライダーの要求が多く、沈む球で空振りを取った松本投手と木下投手には、とにかくその球を要求していた。

投手が制球に苦しむ中で、明豊の強打線を相手にするのは難しいが、投球はバッテリーの共同作業、制球をなるべく良くしていく工夫、決め球に変化球を持ってくるための組み立て、そして何より、捕手として堂々と構える姿勢がほしい。

次の投球に期待

スカウトも、「直球の制球が身につけば、一気に伸びる可能性がある」と話すように、一気に変わる可能性がある。昨年秋も神奈川大会では東海大相模などに素晴らしい投球を見せていた。

冬に体が大きくなったが、まだ線が細い所もある。まだ体が変わっている最中だろう。これから体ががっしりとしてきて、フォームが固まってくれば制球も良くなりストレートに自信が持てるようになるだろう。それによってスライダーも生きるし、スライダー以外に変化球を身に着けられれば、前日の奥川投手のような投球もできるようになる。

高校四天王としては、奥川投手が一歩先にいるのは明らかだが、ドラフト1位指名、そしてプロ入り後に左のエース格となる将来の姿は想像できる。

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2019年度-高校生投手のドラフト候補リスト
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