石岡一・岩本大地投手9回2アウトまで無失点、良かった所は?

岩本大地, 石岡第一

石岡一の岩本大地投手は、最速144キロの三振を取れる高めにストレートを生かすため、カーブ、チェンジアップ、スライダーをうまく使えた。そしてそれらのボールの質も非常に高かった。石岡一高・岩本大地投手のスカウト評価まとめ(4球団)「全てのボールの質がいい」

リトル奥川

投球スタイルは初日に衝撃的な投球を見せた星稜・奥川恭伸投手のような感じだった。151キロを記録し17奪三振完封勝利を挙げた奥川投手とはまだ差があるが、変化球の精度とストレートの質は近いものがあり、リトル奥川という投球だった。

岩本大地投手の特徴は空振りを奪える高めのストレート、2年春に145キロ前後を連発し三振を奪っていた球だ。しかし、昨年夏まではストレートとスライダーの2種類でしか主に投げておらず、秋の大会前の日本ウェルネス高校との練習試合では3回11失点を喫し、川井監督から

川井政平監督(44)に突き放された。「他の高校に行った方がよかったんじゃないか」

と厳しい言葉を受け、小さく曲がるスライダー、チェンジアップ、カーブに磨きをかけた。そして秋の茨城大会ではすぐに結果を残し、明秀日立、土浦日大といった昨年春・夏に甲子園に出場したチームを破っている。

その岩本投手はこの日、初回は三者三振で2回まで4者連続三振を奪う。初球にカーブから入り、スライダーなどを使って2ストライクに追い込むと、そこから高めのストレートを投げて空振りを奪った。必殺球と言える高めのストレートにバッターがどうしたら振ってくれるかを考えた投球の組み立てだった。

また奥川投手のように、外角低めにストレートを続けたり、左バッターにはフロントドア気味に入るチェンジアップを使ったりと、自信をもって投げられるレベルの精度の良い変化球を投げ、時には140キロ台の強いストレートでファウルを打たせて試合を支配した。

それでも、9回に味方が2点目を奪い、ベンチ前でキャッチボールをしながら笑顔を見せていた。そして少し気が緩んだのかもしれないし、すでに球数も多く力は衰えていたのかもしれない。先頭打者にヒットを許すと、センターフライで2アウトを取ったが、それまでなかった外野の深い位置へのフライを上げられていた。そして2アウト2,3塁のピンチからライト前にヒットを許して同点に追いつかれた。

延長に入り、明らかに疲れが見えた。それでも勝負には紙一重だった。最後のバッターには

内角の140キロ直球を右前に運ばれ「外を意識させて内の直球で詰まらせたかったけど、力のない球で勝負してしまった。変化球を投げていれば…」

と力が落ちたストレートで勝負する、初回から続けた得意の投球パターンでいったものの、そのストレートは既に打てる球になっていた。

一番楽しかった

最後は自らの悪送球で試合が決まり、グラウンドにひざをついた。それでも「甲子園は楽しかった。夏には吉田投手のような活躍ができるよう、成長して戻ってきます」と話した。

すがすがしく甲子園を去っていく岩本投手、そして石岡一高校。また甲子園で姿を見たい。

岩本投手の評価

スカウト評価も上々だが、奥川投手にはまだ及ばず、及川投手よりもやや下という感じ。それでも球の質の良さを評価する声が多く、そして成長も感じさせていた。

現時点でも指名の可能性はかなり高いとみられるが、144キロのストレートの威力が夏に148キロ、または150キロまで到達してくれば、ドラフト会議でも上位に入ってくる可能性がある。

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岩本選手の記事

岩本は、自宅に1枚の紙を大事に取っている。中3の10月、川井監督が学校説明会で八郷中を訪れた時にもらった名刺だ。裏に「一緒に甲子園に行こう」と書いてくれた。強豪私学の誘いを断った。「私立を倒す喜びがある」と信じた。

強打の盛岡大付打線に対し「速球に強いので変化球の緩急で抑えるテーマを持った」。最速144キロの直球から90キロ台のカーブを巧みに使い、初回先頭から4者連続三振。8回まで11三振を奪った。

勝利への執念は届かなかった。延長十一回1死満塁のピンチ。石岡一の岩本大地投手(3年)はフルカウントから狙い通りの内角直球で詰まらせ、ボテボテのゴロが目の前に転がったが…。「リリースした瞬間、やばいと思った」と悔しさをにじませた。

「レベルの高さを知った。夏にもう一度ここでやりたい」と岩本。試合前に「アクシデントがないと岩本は代えない」と語っていた川井監督は、170球を投げたエースを「ベストを尽くしてくれた。素晴らしい甲子園で戦えることと悔しさを経験した」とたたえた。


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