静岡商の148キロ左腕・高田琢登投手がこの日、静岡高との練習試合で登板し、強打線を7回1安打7奪三振で無失点に抑えた。この試合にはオリックスを除く11球団のスカウトが視察した。
最速146キロ
高田琢登投手はこの日、体格の良いバッターが並ぶ静岡高打線に「びびってました」と話したが、父親の高田晋松監督が「この試合を夏の大会決勝だと思って」と気合を入れてマウンドに登ると、圧巻のピッチングを見せた。
球速は最速146キロ、「全然走っていない。まだまだ力不足」と話したものの、取り組んできた「スライダーとカットボールの間。浮き上がらずにストレートの軌道から斜めに曲がる」という速めの変化球「スラッター」を駆使し、静岡打線から7回で7つの三振を奪った。
4回には二塁審判から「ノーワインドアップとセットのグラブ位置を一緒にしろ」と言われ、「何でだろうと考えている間に走者をためてしまいました」と、2つの四球を与えて2アウト満塁のピンチを背負ったが、次のバッターをショートゴロにうちとり、唯一のピンチも無失点に切り抜けた。7回1安打無失点、抜群のピッチングだった。
スカウトも評価
この日はオリックスを除く11球団17人のスカウトが集結した。東京ヤクルトの中西スカウトは「緩急を使えていて良かった。左の高校生はそんなにいないから貴重だし、順調に成長している」と話すと、中日の米村アマスカウトチーフも「もう少しスピードが出てくるんじゃないか。無事に投げられていることじたいが評価」と評価した。
巨人・水野巡回投手コーチは「高校生の左で140超えてくる。いい投手だね。楽しみ」と話し、阪神・吉野スカウトも「力を入れたら140キロ出て、変化球もいい」と話した。
スピードについては本人もスカウトもやや不満っぽいが、高田監督も静岡の大会で「150キロを」と話す。7月18日の開幕までにさらに状態を上げていくか注目したい。

ヤクルトの中西スカウトは「緩急を使えていて良かった。左の高校生はそんなにいないから貴重だし、順調に成長している」とうなずき、中日の米村アマスカウトチーフも「もう少しスピードが出てくるんじゃないか。無事に投げられていることじたいが評価」と表現した。2週間後の初陣(星陵―桐陽の勝者)が楽しみになった。
視察した阪神・吉野スカウトは「力を入れたら140キロ出て、変化球もいい」と総合力を評価した。父である高田晋松監督(50)も「質のいいピッチング」と手応え。高校屈指の左腕は「150キロを」と18日初戦の県独自大会へ力を込めた。
これで対外試合は3戦13イニングで2安打無失点、15奪三振。「エースとして目標にしてるピッチングができている」。スカウトを兼務する巨人・水野巡回投手コーチは「高校生の左で140超えてくる。いい投手だね。楽しみ」と評価した。
高田は、この日の投球を満足げに振り返った。「スライダーの制球が良く、カーブでカウントを整えることができた。静高を1安打に抑えられて良かった」。5回には、相手の1番神谷侑征内野手(3年)から、昨冬から練習してきたスプリットで空振り三振を奪った。「速くて曲がる球種が必要だった。投球の幅が広がった」と胸を張った。
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