京都国際でプロ注目左腕投手の森下瑠大投手が、試合後にプロ志望を表明した。本来の投球とは程遠い内容だったが、視察したプロ側の評価は変わらずドラフト会議を待つことになる。
3回4失点
この日の一関学院戦では初回に3連打から3塁打を浴びて3失点、3回にも先頭打者に四球を与えてから1失点と、3回5安打2奪三振4失点の内容で、4回からライトの守備についた。本来の球のキレが無く、昨年ならインコース高めの球で空振りを奪えたが、この日はバットに当てられた。変化球に頼ろうとするも、ストレートが無いため相手打者も手を出さなかった。
最速は140キロ、5月に左肘を痛めて完治したのは7月上旬だった。京都大会では準決勝で復活の登板をすると、決勝では先発し甲子園出場を決めた。しかしこの日の状態は「70%くらい」だったといい、試合後には「肩の張りがあった」と話し万全の状態ではなかった。
「今年は春からいいことが一つもなかった」と話す森下投手、出場が決まっていたセンバツは新型コロナの感染により出場辞退、そして肘の故障と不運が相次いだ。しかし、小牧監督に「甲子園につれていく。プロへは必ず行かせる」と口説かれて京都国際入学時に決めた時の目標は変わらない。「進路はプロ一本です。」と話し、「プロに行くために京都国際に入った。この経験を活かし、侍ジャパンで投げることが目標」と話し、目標とする松井裕樹投手と同じく高卒でプロ入りを目指す。
この日は12球団のスカウトが視察をしていたが、
埼玉西武・渡辺GM:「打者としっかり勝負ができて、投手のスキルも高い選手。だが、今日は評価する事自体が難しい所もある」
福岡ソフトバンク・永井スカウト部長:「ボール自体の質が良かったのは確認できたが、今日が彼のベストではない。それも含めて評価したい。評価が下がることはない」
オリックス・牧田編成副部長:「センスは魅力だし、将来が本当に楽しみ」
とそれぞれ評価した。
特に高校生の評価については、最も高く評価した時点の評価を尊重することが大切で、森下投手の場合は昨年の春か夏の時点での評価ということになる。昨年夏も、最速は143キロで来年までの期待値を込めて評価していた事もあり、将来どのような投手になるか、どれくらいの力を持つことになりそうか、スカウト達の将来の姿のイメージ力によって評価が大きく変わることになる。
打者としての可能性も含めて評価するが、順位を考えると今年はドラフト上位で決め手を持った選手は多くないものの、森下投手と同じように将来性が評価される選手は少なく無いため、故障など状態の悪くない選手を優先することもある。ドラフト会議では4位前後で指名があると予想する。
今年に入り、良いことがなかったという森下投手だが、試合後はなるべく涙は見せずに甲子園を去った。「最後にこの舞台で追われたことは良かった」と話す。10月20日のドラフト会議では今年の苦労を打ち消すような歓喜の瞬間を迎えて欲しいと思う。


進路は「プロ1本になると思う」ときっぱり。NPB12球団の関係者が見守っていた。オリックス牧田編成副部長が「センスは魅力だし、将来が本当に楽しみ」と話したように、この日の投球で評価が大きく変わることはなさそうだ。

5月に左肘を痛め、投球練習再開は7月半ば。状態は「60~70%」で、本調子ではなかった。とはいえ辞退の悲劇を乗り越え、再び聖地で試合ができたことに意味があった。笑顔で高校野球に別れを告げ、次なる目標に視線の先を切り替えた。進路について問われると「プロ一本でいこうと思います」とプロ志望届提出を明言。楽天・松井裕樹に憧れる左腕は将来の目標に侍ジャパン入りを掲げた。


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