徳島商の森煌誠投手の夏が終わった。徳島大会から7試合全てのイニングを投げぬき、859球を投じた夏だった。
自ら交代を直訴
徳島大会5試合をすべて一人で投げぬいた森煌誠投手は、甲子園でも初戦の愛工大名電戦で9回5安打10奪三振1失点で完投したが、「だれにもマウンドを譲りたくない」と話した。
この日の智弁学園戦は初回に3点を先制したものの、3回にコントロールの良い森投手の攻略のため、初球のストライクを積極的に打ってきた智弁学園打線に4連打を浴びせられ同点に追いつかれた。
5回には勝ち越しを許すと、6回は押し出しの四球にタイムリー3ベースヒットで4失点した。味方が先制点を取ってくれたのに、自分が守り抜くことができず申し訳ない。自分では疲れは感じていなかったけど、ボールが垂れていたりして体は疲れていたのかなと感じました。メンタルで押されていた」と話した。
7点差がついた9回、表のマウンドを投げぬいた森投手は、裏の打席で「代打を願いします」と森影監督に伝えた。「諦めてはいなかったけど、せっかく甲子園に来たので、控えの選手に甲子園の土を踏んでほしかった」と話し、チーム全体のために初めてベンチへ下がった。すると、ナインはそれに応えて1得点を挙げて盛り上がる。「変わってからみんながつないで点を取ってくれてベンチも盛り上がっていたのでとても楽しかった」と話した。
今大会NO.1の投手と評価された森投手、プロ志望届を提出すれば高い位置での指名の可能性もあると思われるが、卒業後は社会人でプレーをする。「卒業後は社会人野球に進むつもり。実際に声をかけてもらっているチームはいくつかある。」と話す。
そして、「ストレートの質を求めたい。将来的にはドラフト上位でかかるように」と話し、3年後のドラフト会議で上位指名される投手を目指す。2026年のドラフト会議で森投手を必ず待っている。そのくらいこの夏の、甲子園のピッチングは印象的だった。
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