侍ジャパンU18代表が戦うU18W杯はスーパーラウンドの2戦目が行われ、プエルトリコと対戦した。先発した東恩納蒼投手が5回をパーフェクトに抑えると、打線も10点を奪いコールドで勝利し、決勝進出を決めた。
ミスターゼロから
今夏の沖縄大会で無失点、甲子園でもいなべ総合戦で完封し、ミスターゼロと呼ばれた東恩納蒼投手は、このU18W杯でもその力を発揮し、初戦のスペイン戦で2回無失点、ベネズエラ戦でも4回無失点と、連続無失点を続けている。
そしてこの日のスーパーラウンド・プエルトリコ戦で先発すると、ストレートは140キロ前半だが、相手バッターの狙い球を読みとり、狙っていない時にストレートでストライクを奪い、追い込んでからは低めのスライダーを使う。3回には三者三振を奪う など、5回をパーフェクトに抑えた。
これで今大会は11回連続無失点、許したランナーも1安打1死球と振り逃げの3人のみで、ミスターゼロからミスターパーフェクトへと昇華した。「大一番で結果を残せたことは、とても自信になりました」と自信を見せる。
東恩納投手は大学進学を表明しており、ドラフト的に騒がれることは無いが、もしプロ志望であったとしたら、評価がこの夏でぐんぐん上がっていたことだろう。タイプ的には桑田真澄投手のような、外角低めへの制球力、そして相手を見て投げられる精密さと大胆さを備えた投手で、プロでもかなり活躍するのではないかと思う。
今大会は控え役に徹する。このまま優勝すれば、MVPの可能性もある投球を見せている。アメリカ戦で5回2/3を無失点、スーパーラウンドの韓国戦で4回1安打無失点の前田悠伍投手が決勝戦の先発に登板すると思うが、東恩納投手も台湾との決勝でも登板することができる。それでも、「まだ僕は脇役です。また前田がいい投球をしてくれると思うので、投げられるのであれば、しっかりと後を継いで、いい投球をしたいなと思います」と話す。
前田投手、東恩納投手の2枚看板で、初のU18W杯での優勝を手にすることができるか注目される。また、東恩納投手の投球がすごくて話題の大半を占めているが、攻撃陣も10点を奪っており、オランダ戦の1安打完封からは立ち直ったようにも見える。
ただし、台湾の投手陣は155キロを記録する投手など複数の150キロ投手がおり、そのレベルはこれまでの相手とは違う印象もある。この投手陣からどのように得点を奪うかがポイントとなりそうだ。
台湾と2連戦
侍ジャパンはこれで4勝1敗となった。スーパーラウンド3戦目の台湾戦では敗れて3勝2敗となるとアメリカが3勝2敗で並ぶ可能性があるが、直接対決で侍ジャパンが勝利しているため、これで決勝進出が決まった。
スーパーラウンド3戦目は決勝戦と同じく台湾との試合となるが、勝っても負けても決勝進出となっているため、いわゆる消化試合的な扱いになる。それでも馬淵監督は「とにかく全力で。負けてええ勝負なんかないですよ。勝負事はやっぱりね。負けてええなんか思うたらいかんですよ。勝つか、負けるかなんですから」と話し、高橋煌稀投手の先発を予告した。
夏の甲子園では優勝した慶応義塾の応援が話題となったが、U18W杯でも地元台湾の応援は素晴らしく、まずは決勝の前にこの応援の中で試合ができることはありがたいことだと思う。今日は高橋投手が先発し、森煌誠投手、矢野海翔投手、安田虎汰郎投手などが得意の球がどのくらい使えるのかを試し、決勝へと繋げたい。






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