愛知大学異リーグでは、名城大の155キロ右腕の岩井俊介投手と151キロサイドハンド・松本凌人投手が完封リレーを見せ、愛工大の来年のドラフト1位候補に勝利した。この試合には10球団28人のスカウトが集まり、その投球に注目した。
不調ながら152キロ
先発したのは155キロ右腕の岩井俊介投手、「入りを大事にして初回はいきました」と立ち上がりを丁寧に三者凡退に抑えると、2回はランナーを出したものの併殺に討ち取るなど、3回まで9人で抑えた。
最速は152キロ、変化球の制球など本調子では無かったものの、7回には1アウト1,2塁のピンチとなったが「力をいれて狙いました」と三振を狙い、変化球を使って2者連続三振を奪い、7回を投げて4安打5奪三振無失点で降板した。
この日は10球団28人のスカウトが視察し、
中日・清水スカウト：「ばらついているが、悪いなりに試合をつくれていることは評価できる。強い球はプロでも通用する」
広島・松本スカウト：「８月下旬に視察したときよりもスピードも制球もよくなっていた。馬力があるし、スライダーもいい。上位候補になる」
と評価した。150キロ前後の強い球と鋭さよりも小さく動いて芯を外すような変化球を投げる。球の回転数が多いものの、軸はきれいなバックスピンではなく、やや動いてつまらせる感じで、プロ入り後も強い球と動く球で打たせて取るような投手になるのではないかと思う。
侍ジャパン大学代表では中継ぎとして2試合に登板し、2戦では劣勢の場面で1回を無失点、5戦ではピンチで登板し四球を与えて降板と、力を発揮できたとは言えなかった。それでも選考合宿の紅白戦では投手陣の中で最も威力ある球を投げており、その力はすでに評価されている。
評価は分かれる可能性もあり、ドラフト会議では3位前後での指名となりそうだ。
2回をまとめる
8回からは松本凌人投手が登板する。この日は最速149キロを記録し、8回に2安打を許したものの無失点に抑えると、9回は1つの三振を奪い3人で抑えた。
安打を許したことについて「コントロール重視でいって、そこを打たれた」と話し、「これが最低ラインとして、調子を上げていきたい」と話した。
視察した中日・清水スカウトは「力は入っていたが、無難に抑えるすべはあった」と話す。やや力任せのようなフォームになっており、スライダーが右打者の外側に大きく外れる球も見られた。それでもサイドからバットをへし折る力のある球を投げた。
右のサイドハンドとして、春は非常に特徴的なフォームだったが、候補合宿にかけて角が取れ、オーソドックスなフォームとなってきている。ただし、まだ力投げのような感じで、これから更に変わっていくことになりそうだ。
ドラフト会議では変則フォームのリリーバーの需要もありそうで、3位前後の可能性もありそうだが、育成指名となる可能性もあるかと思う。
この日は愛工大名電は153キロ右腕で来年のドラフト1位候補の中村優斗投手が登板した。150キロ超のストレートと共に、この日はやや高かったがスライダーも良い曲がりを見せる。スカウトはこちらもしっかりとチェックをしたと思うが、来年の大学生投手も楽しみだ。
この日は計１０球団、２８人のスカウトが視察。中日の清水スカウトは「ばらついているが、悪いなりに試合をつくれていることは評価できる。強い球はプロでも通用する」とコメント。広島の松本スカウトも「８月下旬に視察したときよりもスピードも制球もよくなっていた。馬力があるし、スライダーもいい。上位候補になる」と評価した。
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