ともに153キロの速球を投げるプロ注目の神戸弘陵の村上泰斗投手と、生光学園の川勝空人投手が練習試合で対戦し、10球団約40人のスカウトが熱視線を送った。
村上投手
春に素晴らしい投球を見せて評価を挙げている神戸弘陵の村上泰斗投手と、今年はまだ状態が上がっておらず、春もわずかの登板しかしていない生光学園・川勝空人投手の対戦とあって、兵庫県の三木山総合公園で行われた練習試合には10球団約40人のスカウトが訪れる熱気となった。
先発した村上投手はこの日さ最速149キロを記録、春に非常に良くなったというカーブ、スライダー、フォークなどの変化球を織り交ぜ、1回に三者三振、3回にも三者三振を記録した。このまま抑えきって5回1安打11奪三振無失点と圧倒的な投球を見せた。「球の質が良くなり、全部の球種で三振が取れるようになりました。真っすぐの平均球速も142キロから146、147キロに伸びました」と振り返った。
昨年までは制球にやや課題があり、エースとしての信頼を勝ち取れていなかったが、この日は4回にランナーを出してから乱れたものの、無失点で抑えた。「途中、四死球や暴投をしたときは自分の弱さを出してしまいましたが、修正して投げることができました。内容としては良かったと思います。100点満点中、80点ぐらいです」と自己評価した。
阪神は畑山統括スカウト以下5人態勢で視察をしたが、阪神・熊野スカウトは、「今年になって、変化球が良くなった。走者を背負ったときに制球を乱したが、珍しいこと。ドラフト上位候補に挙がってくるのではないか」と高く評価した。また、巨人・岸スカウトも「力感がすごく良くなっている」と絶賛し、「変化球の使い方がうまい。去年からの成長率がすごい魅力的で、オリックスの斎藤響介みたいな投手」と評価した。
川勝投手
一方、川勝投手は春は肘に状態が良くなく、ようやく実戦にむけて復帰したばかりで、この日は5回から登板すると3回を投げて1安打、4つの四球を与えるなど、「まだまだ、という感じですね」と納得せず、「初球ストレートだったり、取れないのが課題ですね」とストライクが取れなかったことを反省した。
しかし、球速は152キロを記録し、3回を投げて1安打1奪三振無失点と、この日は殆どがストレートで、その力で抑えていった。
阪神の山本スカウトは、「出力の高い投手。春先のほうが球の強さがあったが、故障明けだから十分の内容。夏の大会までに状態も戻ってくると思います」と話し、期待を込めた。
川勝投手は「村上投手は緩急の使い方がうまいなと思いました。見習いたい」と話し、村上投手との対戦に刺激を受けた。これから夏の大会に向けてエンジンをかける大きな試合となったと思う。
この日はオリックスも福良GMが視察するなど、各球団の首脳クラスも視察に訪れた。今年の高校生投手全体の評価を握るかもしれない二人の夏の投球が注目される。






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