中京大中京で193cmから149キロの速球を投げる2年生として注目されている宮内渉吾投手は、この夏は不完全燃焼に終わった。
2年生世代
宮内渉吾選手と同じ高校2年生では、健大高崎の石垣元気投手が153キロの速球を投げ、146キロ左腕の2年生・佐藤龍月投手と共に今年春のセンバツで優勝をしている。
また大阪桐蔭の森陽樹投手も190cmから152キロの速球を投げ、149キロ右腕の中野大虎投手と共にこの夏の甲子園で先発をした他、東海大相模の150キロ右腕・福田拓翔投手もリリーフで登板し、プロのスカウトから高く評価をされている。
宮内投手は入学時から193cmの長身右腕として注目され、球速も1年で149キロを記録し、入学間もない昨年6月には、花巻東との招待試合で佐々木麟太郎選手から空振り三振を奪うなどその存在感を見せていた。
しかしこの夏は愛知大会初戦の誉戦で2番手で登板するも2つの四球を与えて降板すると、誠信戦では抑えとして1回1/3を1安打無失点に抑え、名古屋たちばな戦ではエース・中井遥次郎投手を5回途中からリリーフすると、その下位は抑えたものの、次の回に1点を奪われた。1回1/3を1安打3奪三振1失点でチームは逆転勝利をしたものの、かなり苦しい投球が続いていた。
甲子園でも初戦で登板は無く、この日の2回戦では2−3の8回に初登板すると、先頭打者に四球を与えてしまう。それでも147キロのストレートとフォークボールで、1アウト2塁のピンチから2者連続三振を奪う投球を見せたが、9回にホームランを浴びて2−4とされ、結局、その裏に1点を返したものの3−4で敗れた。
「自分の球は投げられたけど、少し浮いてしまったのでホームランにされた。低めに投げたんですけど、真ん中にいってしまって打ちやすいボールになってしまった」と話し、「フォークが決まって三振を取れたのはよかったが、ストレートが甘く入ってしまった。」と反省を述べた。そして、「故障とかじゃなくて自分が制球に苦しんで。力んでしまうとフォームが速くなって制球がばらついてしまう。ゆったり大きく投げることを意識するようにしています」とこの夏を振り返った。
それでも甲子園での投球について「楽しかったです」と話し、「理想は1試合投げきるくらいの体力をつけたい。球速だけじゃどうにもならないと思うので、アウトコースの制球だったり、9回投げきるスタミナを伸ばしていきたいです」とスタミナをつける事を当面の課題とした。
そして「一番背が高いと思うので、角度やフォークボールは負けたくないです。140キロを超えたい」と話し、ライバルの2年生のなかで最も身長が高いことを活かし、現在136キロを記録するフォークボールを140キロ台に乗せることを目標とした。そして、「来年はチームを引っ張って、また甲子園に戻ってきたい」と話した。
すでに来年のドラフト会議は高校生投手が豊作と言われている中で、その上位陣に残っていくためには、球速は150キロはもちろんの事、先発して1試合を任される投球は必要となる。秋の大会からの宮内投手の投球と成長に注目したい。
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