【侍ジャパンU18代表】台湾に完敗で準優勝しそれぞれの道へ、今大会の打撃・投球成績まとめ

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U18アジア選手権を戦った侍ジャパンU18代表は、決勝で台湾に1-6で敗れて準優勝に終わり、代表の戦いを終えた。高校生たちは帰国後、それぞれの道に歩みを進める。

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4番石塚選手にあと一本が

投打で完敗だったという印象。侍ジャパンは初回、今大会2番打者で当たりまくっている浜本遥大選手が、台湾の152キロ右腕・ヤン投手の149キロの速球をセンター前に弾き返してヒットとすると、その後、2盗、3盗で三塁まで進む。そして4番・石塚裕惺選手のタイムリーヒットで1点を先制した。

2回以降もヒットは出た。しかし、2点を勝ち越された後の3回裏に、浜本選手と徳丸快晴選手のヒットで2アウト1,3塁のチャンスを作るも、交代したこちらも150キロ超の球を投げるリン投手の前に、石塚選手が空振り三振となった。また5回にも1番・境亮陽選手から、この日3本目となる濱本選手のヒット、そして徳丸選手も続いて1アウト満塁で再び石塚選手の打席を迎えたが、ショートへの併殺打に倒れた。

点差の開いた7回は1番からの攻撃も最後の打者となった石塚選手がサードゴロに倒れ、1-6で敗れた。まず、5回のチャンスで石塚選手にヒットが出ていれば結果は逆になっていたかもしれないが、それは仕方ないといえる。

ただし、いまさら木製バットの言い訳はしないが、ジャパンの選手もスイングの強さはあったし、台湾・韓国の150キロ投手の球を初球から当ててファウルにするなどコンタクトの力もあり、小倉監督も決勝戦でヒット数が多かったことを褒め称えていた。それでも、台湾や韓国の選手のスイングの強さや速さ、迫力を感じた。

打者の運用では、1番から5番までを固定してスーパーラウンドまで戦い、決勝では不調の3番・高山選手を後ろにし、徳丸選手を3番に入れたことで4番にチャンスを作って回せたのは良かったと言える。下位打線は強い打撃が期待された宇野真仁朗選手、花田悠月選手は当てることが難しかった点で、石塚選手や徳丸選手とはやや差を感じた。ただしサードとDHは山畑真南斗選手と櫻井椿稀選手の併用も想定内で、運用についてはある程度予想通りだったと思う。

特に2番の濱本選手は内野の間を割る打撃が秀逸で、打ちたいところに打てていた。大学で体を作って強さを出してゆけば楽しみだ。また、高山選手はスーパーラウンドに入ってから当たりが止まり、境選手と共に150キロ投手陣に苦労をしていた。大学ではまずは150キロ前後の球を投げる投手に対応するところから入りたい。

また、捕手は熊谷選手が箱山選手を抑えてスタメンマスクをかぶった。送球の強さなどを評価されてのものだと思うが、もう少し見たかったという気持ちもある。

野手の打撃成績(スーパーラウンド以降3試合)

()はファーストラウンドも含めた数字
試合数は打者のみをカウント
本塁打は0本でした

  選手名 高校 予想進路

箱山遥人 健大高崎 2 2(3) 0(0) 0(1) .000(.000) プロ
熊谷俊乃介 関東第一 5 8(14) 2(5) 0(4) .250(.357) 大学



/
D
H
高山裕次郎 健大高崎 6 8(14) 1(6) 0(6) .125(.423) 大学
石塚裕惺 花咲徳栄 6 8(16) 2(5) 1(6) .250(.313) プロ
宇野真仁朗 早稲田実 6 8(15) 0(5) 0(7) .000(.333) プロか大学
花田悠月 智弁和歌山 4 1(9) 0(3) 0(3) .000(.333) 大学
櫻井椿稀 鶴岡東 5 5(11) 0(4) 0(4) .000(.364) 大学
山畑真南斗 明徳義塾 6 6(8) 3(4) 0(2) .500(.500) 大学


徳丸快晴 大阪桐蔭 6 8(19) 3(9) 0(8) .375(.474) 大学
境亮陽 大阪桐蔭 6 9(19) 1(4) 0(1) .111(.211) 大学
浜本遥大 広陵 6 8(19) 5(13) 0(7) .625(.684) 大学

投手力

投手陣は台湾と韓国が150キロ投手を揃え、投球でも150キロを連発する中で、侍ジャパンは今朝丸裕喜投手、藤田琉生投手でも球速のレンジがやや低かった。それでもコントロールや変化球の質の面で藤田投手、中崎投手、櫻井投手といった左腕投手陣が良い投球を見せたが、やはり台湾、韓国の投手陣が上だった。

U18代表は昨年、U18W杯で優勝をしたが、投手の力的にはそれほど代わっていない。その中で昨年は前田悠伍投手と東恩納蒼投手の非常に質の高い投球により勝利したが、今大会はアジア選手権ということで投手の人数が1人少なく、W杯よりも運用の難しさを感じた。

その中でスーパーラウンド突破を目標として台湾戦で藤田琉生投手、韓国戦で中崎琉生投手を使い切り、決勝戦で登板できなかったことは計画通りだったと思う。オープニングラウンドの組み合わせでジャパンはスーパーラウンドで台湾、韓国と対戦する事になり、結果として決勝戦でこの二人が投げられなかったのは、台湾に比べて日程面でやや不利となってしまった。それでも、それも想定通りで最後に今朝丸投手に託すのも予定通りだったと思う。その点で投手の運用は現状ではベストの選択だったと思う。

その中で高尾響投手はこの夏は不調で、間木歩投手も大学生との試合で好投したものの、結果的に今大会のスーパーラウンド以降で登板ができず、田崎投手も本調子ではなかったのが残念だった。

投手

選手名 高校 予想進路
櫻井椿稀 鶴岡東 2 5 1/3 4 7 0 0 2 大学
坂井遼 関東第一 3 1 3 7 0 0 1 プロか大学
藤田琉生 東海大相模 2 5 2/3 2 7 2 1 0 大学かプロ
中崎琉生 京都国際 2 6 3 2 2 1 0 大学
今朝丸裕喜 報徳学園 3 5 2 3 4 1 2 プロ
間木歩 報徳学園 1 2 0 5 0 0 0 大学
高尾響 広陵 2 3 0 4 4 0 0 プロか社会人
田崎颯士 興南 3 3 2 7 7 0 2 大学

進路について

毎年、U18代表ではメンバー同士の交流が行われ、進路についても色々な話しをしている。また、この戦いの結果だったり、または他の選手と自分を比較することで、進路を変えたり決定する選手もいる。

現時点で進路がはっきりしてないのは宇野真仁朗選手、坂井遼投手、藤田琉生投手、高尾響投手で、今大会の結果やメンバーとの交流でどのような決断をするのか注目したい。

また昨年は大学進学を明言していた東恩納蒼投手が代表後にプロ志望届を提出して話題となったが、現在、進学などを表明している選手の中でプロ志望をしそうな選手がいるかも注目される。個人的には今大会を見ると、これまで表明している選択肢は妥当かなとも思う。

いずれにしても、このU18代表での勝利や敗戦は、選手のとって大きな宝物になる。この経験を礎にして、次のステージで成長し、いずれ侍ジャパンTOPチームで顔を合わせるような選手たちであってほしいと思う。

侍ジャパンU18代表候補メンバー(2024)
日本高校野球連盟は、9月2日から台湾で行われる「第13回 BFA U18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU18メンバーを発表しました。
この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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