全国高校野球選手権福岡大会は準決勝が行われ、九州国際大付が東筑紫学園に5-2で勝利し、2年ぶりの夏の甲子園出場に王手をかけた。この試合で、最速148キロ右腕の山本嘉隆投手(3年)が7回途中からリリーフ登板。2回2/3を無安打無失点、6者連続を含む7奪三振と圧巻の投球で、チームを決勝の舞台へと導いた。プロ志望を表明しており、今後、注目度が増してくると見られる。
「ピンチの方が気持ちも上がる」6者連続奪三振の圧巻リリーフ
まさに気迫のこもったピッチングだった。3点リードで迎えた7回1死二、三塁のピンチで3番手として登板した山本嘉隆投手は、「ピンチの方が気持ちも上がる。真っすぐで押した方がいいかな」と、最速146キロをマークしたストレートを軸に後続を連続三振に斬って取った。8回以降もその勢いは止まらず、圧巻の6者連続奪三振を記録。9回2死から最後の打者を見逃し三振に仕留めると、力強く叫んだ。
今大会は3試合、7回2/3を投げ無失点、13奪三振で奪三振率は驚異の15.26を記録。「こんなに三振を取ったのは初めて」と、本人も驚くほどの快投で、「自分が思っていた以上のボールを投げられた」と、その投球に大きな手応えを感じていた。
遠投110mの強肩を誇る外野手として、その強肩が注目されていた。今大会は投手として酷暑の夏を戦い抜くため、全試合ベンチスタートとし、勝負どころでのリリーフを任されている。就任2年目の楠城祐介監督は、「予想以上のピッチングをしてくれました」と、その期待に応える活躍を称賛した。
憧れは西武・野田捕手、目指すは胴上げ投手
九州国際大付出身で2022年ドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団した野田海人捕手に憧れ、「投手としても捕手としても高校のトッププレーヤーだったので、ここに行けば世代のトップレベルの選手になれると思った」と大分から入学した山本投手、卒業後は「プロ志望届を出したい」と話す。これまで外野手としてプレーしていたことから登板の実績はなく、まだあまり名前が取り上げられていないが、角度のある148キロのストレートで次々と三振を奪う投球を決勝戦、そして甲子園で見せることができれば、一気に人気に火が付くかもしれず、その状況次第ではドラフト3位くらいに入ってくる可能性もあると感じる。
「優勝のかかるマウンドにいたい気持ちはある」。まずは決勝戦でチームを2年ぶりの聖地へ導き、自らが胴上げ投手になることを目指す。山本投手が9回のマウンドに立った時、勝利はグッと近づいていることだろう。
山本嘉隆投手 プロフィール
- 氏名:山本 嘉隆(やまもと よしたか)
- 所属:九州国際大学付属高校(3年)
- ポジション:投手、外野手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速148キロを誇る右腕。2025年夏の福岡大会準決勝でリリーフ登板し、2回2/3を無安打無失点、7奪三振(6者連続含む)の快投。今大会は3試合7回2/3を投げ無失点、13奪三振。外野手も兼任し、遠投110メートルの強肩を持つ。憧れの選手は西武・野田海人。



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