全国高校野球選手権徳島大会は決勝が行われ、鳴門が鳴門渦潮に4-0で勝利し、3年ぶり15度目となる夏の甲子園出場を決めた。背番号8の橋本朋来投手(3年)が公式戦初完封。打っては初回に自ら先制の決勝打を放つなど、投打にわたる大活躍で名門を徳島の頂点に導いた。
114球の初完封「キツさを忘れて楽しく投げられた」
橋本朋来投手は167cmと大きくない体だが、準決勝で137球を投げた中1日でのマウンドにもかかわらず、この日の決勝戦では9回を投げ抜き4安打無四死球、公式戦初となる完封勝利を飾った。
「空を切ったな。その瞬間に喜びがあふれた」。最後の打者を114球目の外角直球で空振り三振に仕留めると、両手を突き上げ、歓喜の輪に身を委ねた。「キツさを忘れて楽しく投げられた」という言葉通り、テンポの良い投球で相手打線に三塁を踏ませなかった。
その成長の裏には、たゆまぬ努力があった。チーム内で代々受け継がれているという、裏に「小さな巨人」と書かれた帽子を愛用。夕食は毎晩1キロのご飯を摂取し、体重を3キロ増やしたことで、球速も143キロまでアップした。
“阿波の怪物”敬遠の後に決勝打!
投球だけではない。打席でもエースの意地を見せた。初回2死二塁、打席には“阿波の怪物”の異名を持つ2年生4番・稲山壮真選手が入ったが、相手バッテリーが申告敬遠を選ぶと、続く5番の橋本投手が打席へ。「デカいし、頼もしい後輩」と認める稲山選手が作ったチャンスで、見事レフト前に先制のタイムリーヒットを放ち、自らを援護した。
準決勝で逆転2ランを放つなど、高校通算21本塁打を誇る稲山選手は、今大会も4試合で打率.455、4打点と大活躍。「警戒されるのは、相手も作戦だし、仕方ない。甲子園なら勝負してくれると思うので、甘い球をしっかり捉えたい」と、聖地での大暴れを誓った。
初の夢舞台へ「制球で押していく」
自身初となる夢の舞台へ、橋本投手は「制球で押していく」と、力強さと器用さで強敵に立ち向かうことを誓った。投打のヒーローの活躍で、名門が3年ぶりに甲子園に帰ってくる。
橋本朋來投手 プロフィール
- 氏名:橋本 朋來(はしもと ともき)
- 生年月日:2007年11月22日
- 出身地:徳島県鳴門市
- 経歴:大津西スポーツ少年団(桑島小1年) – 鳴門第一中学校(軟式野球部) – 鳴門高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:167cm・83kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:2025年夏の徳島大会決勝で4安打無四死球の公式戦初完封勝利。打っても初回に先制の決勝タイムリーを放つ。最速143キロ。愛称は“小さな巨人”。鳴門高校では1年秋からベンチ入り。
稲山壮真選手 プロフィール
- 氏名:稲山 壮真(いなやま そうま)
- 生年月日:2008年7月23日
- 出身地:徳島市
- 経歴:佐古小(3年) – 徳島東リトルシニア(城西中) – 鳴門高校(2年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:180cm・90kg
- ポジション:一塁手
- 主な特徴や実績:“阿波の怪物”の異名を持つ2年生4番。高校通算21本塁打。2025年夏の徳島大会では準決勝で逆転2ランを放つなど、4試合で打率.455、4打点を記録。鳴門高校では1年夏からベンチ入りし、1年秋から背番号3。





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