全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会では、2年連続出場の金足農(秋田)が大会2日目の第3試合で沖縄尚学(沖縄)と対戦することが決まった。2018年の「金農旋風」を巻き起こしたが、初戦から146キロ右腕・吉田大輝投手(3年)と、沖縄尚学の150キロ左腕・末吉良丞投手(2年)との、プロ注目同士の好投手対決となる。
兄超えへ「リベンジ」誓う吉田大輝、初戦の相手は強敵
「やっと決まったなと」。先にくじを引き終え、対戦相手が決まるのを待っていた金足農の佐藤晃真主将(3年)は、沖縄尚学との対戦が決まった瞬間、静かに闘志を燃やした。相手は今春のセンバツで優勝した横浜と接戦を演じた強豪で、エースは世代屈指の150キロ左腕・末吉良丞投手だ。
昨夏、2年生エースとして聖地のマウンドに立った吉田大輝投手は、初戦で7回5失点と打ち込まれ、チームも敗退。「自分はまだ甲子園にふさわしくない投手」と涙をのんだ。その悔しさを胸にこの夏に向けて成長し、夏の秋田大会では5試合34イニングを投げ3失点と、エースの貫禄を見せつけてきた。「絶対に輝星を超える」と公言する右腕にとって、兄が成し遂げられなかった全国制覇へ、まずは大きな壁が立ちはだかる。
金足農の中泉一豊監督は、大会2日目という早い日程に「ちょっと早い。もうちょっと時間が欲しかった」と苦笑い。沖縄県は大会日程が速く、決勝戦が行われた7月13日からは2週間以上の期間がすでにある。一方、秋田大会の決勝は7月22日で、その大会で連投した吉田投手の状態を「健康体とは言えないかもしれない」と、疲労を懸念した。
それでも、チームの戦い方は変えない。佐藤主将は「左でそうそういない好投手。小技を絡めて相手を崩していきたい」と、7年前に旋風を巻き起こし、夏の秋田大会でも優勝を決めたバントんあど小技を使い、末吉投手の攻略を図る。「全員が去年の悔しさを持って戦えるように」。チーム一丸となって、金農旋風の再現のために、まずは初戦の強敵に挑む。
吉田大輝投手 プロフィール
- 氏名:吉田 大輝(よしだ たいき)
- 所属:金足農業高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:オリックス・吉田輝星投手を兄に持つ最速146キロ右腕。2025年夏の秋田大会では5試合34回を投げ3失点、26奪三振。決勝では延長10回を1失点完投し、チームを同校初の2年連続夏の甲子園出場に導く。昨夏もエースとして甲子園に出場。
末吉良丞投手 プロフィール
- 氏名:末吉 良丞(すえよし りょうすけ)
- 所属:沖縄尚学高校(2年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:最速150キロを誇る2年生左腕。今春のセンバツでは優勝した横浜を相手に接戦を演じるなど、世代屈指の好投手として注目を集める。






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