全国高校野球選手権の甲子園大会は2日目、金足農業(秋田)が沖縄尚学(沖縄)に0-1で惜敗し、2年連続の初戦敗退となった。オリックス・吉田輝星投手を兄に持つエース・吉田大輝投手(3年)は、右太ももの違和感により先発を回避。5回途中からリリーフ登板し自己最速を更新する147キロをマークしたが、7回に決勝点を奪われ涙をのんだ。
兄・輝星の激励も涙の敗戦「申し訳なくて」
アルプスへの挨拶を終えると、もう力は残っていなかった。金足農業のエース・吉田大輝投手は、仲間に背中をさすられながら、その場にがっくりと膝をついた。汗と涙で顔はぐしゃぐしゃ。「球場を出るまで我慢しようと思ったが。本当に申し訳なくて」。全ての責任を一身に背負い号泣した。
万全の状態ではなかった。7月末の練習中に右太ももを痛め、この日は先発を回避してベンチスタートとなった。しかし、0-0で迎えた5回2死三塁のピンチで3番手としてマウンドへ向かうと、わずか1球で二ゴロに打ち取り、球場をどよめかせた。
6回には自己最速を1キロ更新する147キロを計測するストレートで、兄と同じような球威のある球を見せたが、7回に2死一、三塁のピンチとなりと、タイムリーを浴び、この1点が決勝戦となった。「0点でつないでくれたのに、自分が点を取られてしまって申し訳ない気持ちしかない。調整できなかったのは自分のせい」。兄・輝星投手から贈られたグラブを手に、最後まで投げ抜いたが、聖地での1勝はあまりにも遠かった。
昨年にその素質の高さを見せ、そしてこの夏は秋田大会で兄・輝星投手が見せたような、気迫で無失点を続ける投球を見せていた。147キロの球速も十分だが、ストレートの質の高さも素晴らしかった。
この日、進路について聞かれると、「甲子園のことだけを考えてきたので今はまだ」としながらも、「今の実力ではまだまだ追いつかないと思うので。いずれは兄と同じ舞台でやりたい」と話し、将来のプロ入りの意志とともに、今年のプロ入りの意志は示さなかった。今後の次のステージが大学になるのか社会人になるのかはまだわからないが、数年後には圧倒的なストレートを投げる投手になっていると思う。
兄の吉田輝星投手も進学かプロ入りかで迷い、プロ入りを決断してドラフト1位指名をされたが、もし、大学に進学していたらどんな投球を見せていたのかとも思うが、大輝投手がそれを見せてくれると思う。
吉田大輝投手 プロフィール
- 氏名:吉田 大輝(よしだ たいき)
- 生年月日:2007年4月23日
- 出身地:秋田県潟上市
- 経歴:天王ヴィクトリーズ(小1) – 天王中学校(軟式野球部) – 金足農業高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:179cm・86kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:オリックス・吉田輝星投手を兄に持つ最速147キロ右腕。2025年夏の甲子園1回戦でリリーフ登板し、3回1/3を1失点。右太ももの違和感を抱えながらも自己最速を更新した。昨夏もエースとして甲子園に出場。














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