侍ジャパンU18代表がこの日、沖縄県高校選抜と壮行試合を行った。今夏の甲子園優勝投手で、地元沖縄尚学の末吉良丞投手がJAPANにユニフォームを来て凱旋登板し、ともに甲子園優勝の立て役者となった2年の新垣有絃投手との投げ合いを見せた。球場は史上最多となる1万7969人の観衆が入り、沖縄野球が最高の盛り上がりを見せた。
「一番楽しめた」満員の地元マウンドで先輩斬り
日の丸を背負った甲子園のヒーローが、故郷のマウンドで躍動した。超満員となった沖縄セルラースタジアム那覇。異様な熱気に包まれる中、U18日本代表の先発・末吉良丞投手は「緊張はなかったです。一番楽しめて投げることができた」と、堂々のピッチングを披露した。
圧巻は初回2アウト2塁の場面。打席に迎えたのは、甲子園でバッテリーを組んだ沖縄尚学の女房役・宜野座恵夢捕手。互いの手の内を知り尽くした対決は、末吉が外角への142キロのストレートで空振り三振に斬って取った。「先輩たちと2年半やってきて、自分の投球を最後の集大成として、見せることができた」。2回を投げ3安打を許しながらも、要所を締める投球で4つの三振を奪い、無失点でマウンドを降りた。
巨人スカウトも熱視線「大注目の投手になる」
2年生で唯一の代表選出となった逸材には、プロのスカウトもすでに熱い視線を送っている。この日の投球を視察した巨人の水野編成本部長代理は、その将来性を高く評価した。
巨人・水野雄仁 編成本部長代理:「来年は大注目の投手になってくる」
チームでは、横浜高校のプロ注目左腕・奥村頼人投手から「後ろを大きくして、しなりを使って投げると、8割程度の力でも球がいくよ」とアドバイスを受けるなど、さらなる成長のヒントも得ている。世界と戦う中で、その才能はさらに磨かれていく。
ライバル新垣有絃との投げ合い「感謝しかない」
この日のマウンドには、特別な思いがあった。相手の先発は、沖縄尚学でエースの座を争うライバルであり、親友でもある新垣有絃投手。「有絃は1年の秋から急成長した。それを目の当たりにして、ヤバいと思ったんです」と、ライバルの存在が自らを奮い立たせたことを明かす。「有絃には感謝しかないです」。その思いを胸に投げ合ったマウンドで、末吉は一歩も引かなかった。
試合は雨天中断を経て7回制となり、4-3で高校日本代表が勝利。ライバルとの投げ合いを制した末吉投手は、本大会へ向け「世界に通用するかなと思う」と確かな手応えを掴んだ。
末吉 良丞(すえよし りょうすけ) プロフィール
- 所属:沖縄尚学高校(2年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2025年夏の甲子園優勝投手。U-18日本代表に唯一2年生で選出された最速150キロ左腕。壮行試合では2回4奪三振無失点の好投。来年のドラフトの超目玉候補。















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