第32回 WBSC U-18ワールドカップは1次ラウンド第3戦が行われ、侍ジャパンU18代表はキューバに3-0で勝利し、開幕3連勝を飾った。この試合、先発の下重賢慎投手(健大高崎)、2番手の西村一毅投手(京都国際)、そして抑えの奥村頼人投手(横浜)の左腕トリオが、日本が苦しんだイタリアから8点を奪った強力キューバ打線をわずか2安打に封じ込める完璧な完封リレーを見せた。
下重投手が4回無失点「ベストピッチができた」
今大会初先発のマウンドを託されたのは、健大高崎の技巧派左腕・下重賢慎投手。序盤2回をパーフェクトに抑える上々の立ち上がりでチームにリズムをもたらす。3回に2つの四球で2アウト2、3塁のピンチを招いたが、最後は力強いストレートで空振り三振を奪い、雄叫びを上げた。
4回を投げ2安打無失点、5奪三振と先発の役割を完璧に果たした下重投手。この日のために北海道から駆けつけた両親の前での快投に、「この日のために準備してきた。ベストピッチができた」と満面の笑みを見せた。
2番手・西村は圧巻の4K!「いつも通り投げられた」
3-0の5回からマウンドに上がったのは、京都国際で2年夏の甲子園で優勝投手になってい西村一毅投手。今大会初登板となったが、「緊張もなく、いつも通り投げられた」と、高校生では打たれないというスライダーとチェンジアップに、持ち味のキレのあるストレートで、キューバ打線を翻弄。6回は三者凡退に抑えるなど、2回2/3を投げてノーヒット、4奪三振と素晴らしいピッチングを見せた。
「チェンジアップはタイミングを外せていた。ストレートのキレが戻ってきている」と話し、夏の甲子園よりも良い状態と話す西村投手、「良い投手たちとつないで投げることができてうれしい」と、豪華リレーの一翼を担った喜びを語った。
最後は奥村頼が締める!盤石の投手力で頂点へ
最後のアウトは、横浜の奥村頼人投手が奪った。7回2アウトからマウンドに上がると、最後の打者を143キロのストレートで空振り三振に仕留め、見事な完封リレーを完成させた。この日は最後まで山梨学院の横山悠捕手がマスクをかぶり、3投手をリードした。「それぞれの投手が持ち味を出してくれた」と、投手陣の出来を称賛した。
横浜選手は5回にダメ押しとなる貴重な追加点となる打点を挙げ、勝利に貢献した。また、5番に入った奥村凌大選手(横浜)選手が3回にタイムリーヒットで先制点を挙げると、5回にも得点につながるヒットを打ち、マルチ安打を記録した。2番の藤森海斗選手、6番の高畑知季選手と打線が変わった選手もマルチヒットを記録し、徐々に活性化されている。昨日にMLBも注目する韓国の速球派投手を攻略したことが大きな自信になっているようだ。
これでU18侍ジャパンは3連勝、今日はやや格下の南アフリカと対戦し、明日は一次ラウンド最後となるプエルトリコ戦となる。
11日〜13日に2次ラウンドでは、グループBで圧倒的な力を見せているアメリカ、そして2勝を挙げた台湾、そしてオーストラリアとともにドイツが力を見せており、それらの強豪との対戦となる。韓国戦に先発した末吉良丞投手や、この日登板した下重投手や西村投手のサウスポーを軸に勝利を挙げ、決勝に進みたい。
下重 賢慎(しもしげ けんしん) プロフィール
- 所属:健大高崎高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:U-18W杯キューバ戦に先発し、4回無失点5奪三振の好投で勝利に貢献した技巧派左腕。
西村 一毅(にしむら かずき) プロフィール
- 所属:京都国際高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2年時に甲子園で胴上げ投手を経験。U-18W杯キューバ戦で今大会初登板し、2回2/3を無安打無失点4奪三振と圧巻のリリーフを見せた。
奥村 頼人(おくむら らいと) プロフィール
- 所属:横浜高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:U-18W杯キューバ戦の最終回に登板し、三振を奪って完封リレーを締めた。








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