秋季高校野球奈良大会の準々決勝が行われ、来秋のドラフト候補として注目される奈良大付の188cm右腕・新城楓雅投手が天理を相手に8回3失点(自責1)の力投を見せたが、チームは1-3で敗れ、来春のセンバツ出場は絶望的となった。それでも、視察したNPB5球団のスカウトの前で最速144キロを計測するなど、その将来性の高さを存分にアピールした。
8回3失点(自責1)の力投も、天理に及ばず
プロ注目の2年生右腕・新城楓雅投手が、ライバル天理を相手に投げ合った。初回に味方の援護で先制したものの、3回に3安打とエラーが絡み3失点、逆転を許してしまう。しかし、4回以降に立ち直りを見せると、追加点を許さない粘りの投球を披露。8回を投げ抜き7安打6奪三振と力投し、8回7安打6奪三振3失点に抑えた。
しかし打線は天理高校の144キロ右腕・長尾亮大投手に1点に抑えられ、センバツ出場が遠のく負けとなった。「チームが打てないというより自分が打たれてしまった。次はリベンジできるように」と唇を噛んだ。
DeNAスカウトは阪神・才木になぞらえ高評価
バックネット裏には、来年の注目の逸材を見ようと5球団のスカウトが集結し、敗れはしたものの、そのポテンシャルを高く評価した。
横浜DeNA・藤田スカウト:「素材はいいんで、これからが楽しみですよね。もう少し目線の上がるようなカーブが投げられたら、阪神の才木投手のようになれる」
目標は「支配下でプロに」冬での成長誓う
来春のセンバツ出場は絶望的となったが、新城投手の視線はすでに先を見据えている。「高卒でプロになりたいです。支配下で入りたい」と明確な目標を口にし、「まだまだ細いのでご飯を食べてごつくなりたい」と、この冬での肉体改造を課題に挙げた。田中一訓監督も「もう少し体が横にがちっとついてほしい。がちっときたら、もっと面白くなる。まだまだですけど、伸びしろはあると思います」と、その成長に大きな期待を寄せた。
長身ながら腕の振りが柔らかく、しなやかさも持つ右腕。体重は80kgと身長に比べると軽いが、下半身もお尻も大きく安定しているように見える。体重が85kgくらいになり、球速が150キロ近くになれば、織田翔希投手や丹羽涼介投手などの150キロ右腕投手達に肩を並べてきそうだ。
奈良大付は夏の奈良大会準決勝でも天理と対戦しており、その試合でも4−6で敗れて夏の甲子園出場に届かなかった。この日も敗れ、2度に渡って甲子園出場を閉ざされている。来年夏はラストチャンスとなる。夏の天理戦に1イニングを投げ、この日は8回で完投した新城投手の成長が勝利には欠かせない。3度目の正直に向かって長い冬に大きく成長し、夏は天理に勝って甲子園に出場し、来秋のドラフト会議に向かう1年にしたい。
新城 楓雅 プロフィール
- 氏名:新城 楓雅(しんじょう ふうが)
- 所属:奈良大学附属高校 2年
- 出身:大阪府大東市
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:188cm・80kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速145キロの長身右腕。天理戦で8回3失点完投、最速144キロを計測した。高いポテンシャルにプロのスカウトも注目している。












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