秋季高校野球奈良大会は4日に準決勝が行われ、智弁学園と天理がそれぞれ勝利し、決勝進出と近畿大会出場を決めた。智弁学園は来秋ドラフト候補のエース左腕・杉本真滉投手が2安打12奪三振の圧巻の完封劇。天理は背番号10の岡田煌生投手が粘りのロングリリーフでチームを勝利に導いた。夏の決勝の再戦となる大一番で、両校の2年生投手が火花を散らす。
智弁学園・杉本、圧巻の12K&1イニング4奪三振
世代屈指の左腕が、聖地への切符をその左腕で掴み取った。智弁学園のエース・杉本真滉投手は、雨でぬかるむマウンドをものともせず、圧巻の投球を披露。威力のある直球を軸に12個の三振を奪い、許した安打はわずか2本。5回には振り逃げを含む1イニング4奪三振の珍記録も達成し、相手打線を完全に封じ込めた。
「どんな状況でも対応できるようなピッチャーになっていけるように」と、試合後も冷静に課題を口にしたが、140キロを超す球を投げる左腕の球にはキレもあり、郡山高校を圧倒した。
今夏の奈良大会決勝で天理に敗れた悔しさを胸に、「先輩たちの思いや悔しさを背負って頑張りたい」と語る左腕。5日の決勝で実現する再戦で、リベンジを果たす。
天理・岡田、指揮官の期待に応える粘投
一方の天理は、背番号10の右腕がチームを救った。6回に2点差に詰め寄られ、なおも続くピンチでマウンドに上がった岡田煌生投手が登板し後続を断ち切ると、8回まで無安打無失点の好リリーフを見せた。9回に2点を失ったものの、藤原忠理監督は「ピッチャーを育てるには、ある程度の辛抱強さが必要だということですね。あそこで代えてしまったら彼は成長しない。自分でまいた種は自分で刈り取れよ」と続投させ、岡田投手にマウンドを託した。
指揮官の期待に応え、3回2/3を7奪三振と粘り抜いた右腕は、「自分のやれることがやれたっていうのは自信になりました」と胸を張った。夏の大会はベンチ外だった男が、大きな成長を示し、144キロ右腕のエース・長尾亮大投手を温存して決勝に臨むことができた。
夏の再戦、因縁の決勝へ
奈良の頂点、そして近畿大会の第1代表をかけた決勝は、夏の大会決勝と同じ智弁学園と天理の顔合わせとなった。智弁学園・杉本投手が夏のリベンジを果たすのか、それとも天理が4季連続の県制覇を成し遂げるのか。来年のドラフト戦線を沸かせるであろう両校の2年生の活躍に注目が集まる。
杉本 真滉 プロフィール
- 氏名:杉本 真滉(すぎもと まひろ)
- 所属:智弁学園高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速146キロの本格派左腕。秋季奈良大会準決勝で2安打12奪三振の完封勝利。1イニング4奪三振も記録した。
岡田 煌生 プロフィール
- 氏名:岡田 煌生(おかだ こうせい)
- 所属:天理高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速141キロの右腕。秋季奈良大会準決勝で3回2/3を7奪三振と好リリーフし、近畿大会出場に貢献した。




コメント