第98回選抜高校野球大会に出場する近江(滋賀)が9日、滋賀県彦根市の同校グラウンドで東山(京都)と練習試合を行った。ドラフト候補として注目される上田健介投手(2年)が先発で登板、中1日での調整登板となったが、4回3失点と課題を残す結果となった。この試合にはNPB2球団のスカウトが視察に訪れ、昨年3月に勇退した名将・多賀章仁前監督も投球を見守った。
序盤の好投から一転、4回の集中打に「コントロールを磨きたい」
立ち上がりの上田健介投手は、プロ注目の名に恥じない堂々たる投球を見せた。初回を三者凡退で完璧に立ち上がると、2回は先頭打者に四球を与え1死二塁のピンチを招いたものの、落ち着いたマウンド捌きで後続を打たせて取り、無失点で切り抜けた。3回も再び三者凡退に打ち取るなど、中1日の疲れを感じさせないテンポの良い投球で試合を作った。
しかし、4回に突如として乱れた。先頭打者からの3連打を浴びるなど、甘く入った直球を痛打された。全体的にボール先行の苦しい投球が目立ち、最終的に4回を投げて4安打3失点。上田投手は「しっかりコントロールできるようにしたい(デイリースポーツ)。」と、制球力の精度向上を最優先課題として挙げた。スカウト陣が視察する中での登板だったが、課題を再確認する投球となった。
小森監督が指摘するフィールディングの課題
投球内容以上に、小森博之監督(42)が厳しく指摘したのは守備面だった。この日の試合ではフィールディングにおけるミスがあり、「(初戦の)大垣日大さんは小技、足を絡めてきますので(デイリースポーツ)。」と、守備から綻びが出る事を警戒した。
近江高校は、粘り強い野球とエースの快投で旋風を巻き起こしてきたが、その中心には常に堅実な守備があった。センバツの初戦で対戦する大垣日大は機動力やバントを駆使してくるチームで、上田投手にとっても、ただ「投げる」だけでなく、マウンド上の5人目の内野手としての動きをどこまで徹底できるかが、聖地での勝利への鍵となる。
名将・多賀章仁前監督が送るエール「エースが大車輪の活躍を」
この日のグラウンドには、昨年3月に監督を勇退した多賀章仁前監督(66)の姿もあった。長年、近江を全国屈指の強豪へと育て上げた名将は、教え子たちの成長を見守った。多賀前監督は、上田投手を含めた4人の中心選手を「鍵を握る選手」と表現し、エースにかかる期待の大きさを口にした。
「初戦が甲子園で勝ち上がれるかどうかを左右する。そこでそういった核の選手が大車輪の活躍をするとチームが乗っていく(デイリースポーツ)。」と話した。かつて山田陽翔投手(現西武)らを擁して甲子園を沸かせた際も、エースの圧倒的な存在感がチームに勢いをもたらしており、上田投手にその役割を期待する。
選抜初戦となる22日まで、残された時間は約2週間。最速148キロ右腕として注目される上田投手にとって、この2週間は大切な時間となる。近江の背番号1がセンバツで圧巻のピッチングを見せることができるか注目したい。
【上田 健介】 プロフィール
- 氏名: 上田健介(うえだ・けんすけ)
- 所属: 近江高校(2年・新3年)
- 出身: 滋賀県
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 主な特徴や実績: 自己最速140キロを超える直球が武器のプロ注目右腕。安定したフォームから繰り出される威力ある球で三振を奪う能力が高い。2027年ドラフト候補としてNPBスカウトからも注目される存在。昨秋の近畿大会でも力投を見せた。








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