本日、第98回選抜高校野球大会が阪神甲子園球場で幕を開ける。開会式直後の第1試合で激突するのは、昨夏の甲子園を制し、史上5校目の「夏春連覇」に挑む沖縄尚学(沖縄)と、11年夏以来15年ぶりの聖地帰還を果たした東京の伝統校・帝京。昨夏のV左腕・末吉良丞投手(3年)が「波に乗るには一番いい試合」と必勝を誓えば、帝京の二刀流スラッガー・安藤丈二選手(3年)は今大会から導入されるDH制を活用し、ドジャースの大谷翔平選手ばりの「1番・指名打者」として新時代の扉を開こうとしている。
V左腕・末吉良丞投手がオープニングゲームへ闘志、「チームに流れを呼ぶ投球を」
夏春連覇を狙う沖縄尚学のエース、末吉良丞投手は揺るぎない自信を示す。18日の開会式リハーサル後、西宮市内のグラウンドで行った最終調整では、捕手を座らせて直球を中心に約30球。昨夏の優勝を経験し、自身3度目の聖地となるが、開幕戦のマウンドは初めてだ。「開幕戦を勝ち切ることによって、チームのテンションやモチベーションも上がってくる。波に乗るには一番いい試合(サンケイスポーツ)」と、大会の勢いを決める大役への責任感を口にした。
相手の帝京は、安藤丈二選手や目代龍之介選手(2年)らを中心とした、全国屈指の強打を誇るチームだ。末吉投手は「全体的に振れている印象。どう攻めてどう三振を取るのかをイメージしている(サンケイスポーツ)」と分析。自慢の最速150キロの直球と、キレのある変化球を武器に、「初回から試合を作って、チームに流れを呼ぶ投球をしたい(スポーツ報知)」と話した。主将の山川大雅捕手(3年)ら野手陣がほぼ入れ替わった新チームにおいて、背番号1の左腕がどれだけ安定したピッチングを見せられるかが、連覇への最大の鍵となるだろう。
帝京の「大谷ルール」がベールを脱ぐ?安藤丈二選手が1番打者で先制パンチ狙う
対する帝京、15年ぶりの甲子園で金田優哉監督(40)が示唆したのは、昨秋4本塁打を放った「4番兼投手」の安藤丈二選手を「1番・DH」で起用するプラン。今大会から初採用されるDH制。これまでは投手の負担軽減が主な目的とされてきたが、金田監督は「いいバッターから並べていくイメージ。初回に勢いを持って入りたい(サンケイスポーツ)」と、攻撃的布陣を構想している。安藤選手が初回から相手エースの末吉投手にプレッシャーをかけ、そのままリリーフとしてマウンドに上がる「大谷ルール」の適用も視野に入れている。
安藤選手自身も、この大役に意欲十分だ。昨秋は打率.458という驚異的な数字を残しており、DH制の導入によって「守備中に投球練習ができるメリットは大きい」とポジティブに捉えている。また、2年生ながら左中間へサク越えを放つパワーを持つ目代龍之介選手もキーマンの一人。池田大和主将(3年)は「初回にどれだけMAXを持っていくことができるかが大事(日刊スポーツ)」と語り、伝統の「帝京魂」をロースコアの接戦のなかでも貫き通す覚悟だ。
比嘉監督と金田監督、甲子園のスタンドで火花を散らす「ロースコア」の予想
18日に行われた恒例の監督対談。沖縄尚学・比嘉公也監督(44)と帝京・金田監督は、互いの戦力を分析しながら、本番での激闘を誓い合った。比嘉監督は「伝統的に強打の印象。多少打たれるのは仕方ないが、いかに最少失点に抑えられるか(スポーツ報知)」と、末吉投手を中心とした守りの野球を強調。対する金田監督も「末吉君、新垣(有紘)君という日本一の投手が残っている。そうは点は取れないので、ロースコアで粘りたい(スポーツニッポン)」と、守備の重要性を語った。
金田監督は、選手時代の2002年夏にも開幕戦を経験しており、その難しさを誰よりも知っている。一方の比嘉監督も2013年春に開幕戦で苦い敗戦を喫しており、「慌てないこと」を自らに言い聞かせている。昨夏王者の堅守か、伝統校の強打と新たな戦略か。大会の幕開けを飾るこの一戦の結果は、今大会全体の流れを左右する大きな意味を持つことになる。
注目の一戦からいよいよ高校野球の球春が始まる。
【末吉 良丞】 プロフィール
- 氏名: 末吉良丞(すえよし・りょうすけ)
- 所属: 沖縄尚学高校(3年)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 178cm、78kg
- 主な特徴や実績: 昨夏の甲子園優勝メンバーであり、最速150キロを誇る大会屈指の左腕。しなやかなフォームからキレ味鋭い直球とスライダーを投げ込む。3度目の聖地で夏春連覇という歴史的偉業に挑む。
【安藤 丈二】 プロフィール
- 氏名: 安藤丈二(あんどう・じょうじ)
- 所属: 帝京高校(3年)
- ポジション: 内野手(三塁手)、投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、82kg
- 主な特徴や実績: 投打二刀流として活躍する帝京の主軸。昨秋の公式戦で出場選手中最多タイの4本塁打を記録したスラッガー。DH制導入の開幕戦では「1番・指名打者」としての起用が濃厚。投手としても最速140キロ中盤をマークする。
【目代 龍之介】 プロフィール
- 氏名: 目代龍之介(めだい・りゅうのすけ)
- 所属: 帝京高校(2年・新3年)
- ポジション: 外野手(中堅手)、投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 182cm、85kg
- 主な特徴や実績: 2年生ながら帝京の重量打線を支える大型スラッガー。スピードスケートや砲丸投げで鍛えた驚異的な下半身と身体能力を誇り、甲子園練習でも柵越えを披露。投手としても最速150キロを計測する。















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