主軸を打った宮崎選手が故障をして今季絶望となった横浜DeNA、かつてならばこれで今季は終わりという感じだったが、今は違う。ドラフト2位ルーキー・伊藤裕季也選手が初スタメンで2本塁打を放ち、宮崎選手の穴を埋めた。
ポスト宮崎
昨年のドラフト会議で横浜DeNAは伊藤裕季也選手をドラフト2位で指名した。ドラフト1位で内野手の小園海斗選手を指名したものの抽選で外しているが、昨年の補強ポイントは内野手で、若い遊撃手と、ポスト宮崎となる打てる内野手の獲得だった。
小園選手は外したものの、変わりに右のエース候補・上茶谷大河投手を獲得し、そしてドラフト2位で伊藤選手を指名した。ドラフト的には3位で指名できるかどうかという感じで、小園選手を獲得できなかった事で2位に早めた可能性もあるが、DeNAは2017年も外野手の神里和毅選手を2位で獲得しており、1位で投手、2位で補強ポイントの野手という指名をしている。
伊藤選手はオープン戦から結果を残し、帯同をしていたが、3月に中日とのオープン戦で、一塁後方へのフライをファウルと自己判定してしまい、そのフライがフェアゾーンに落ちたにもかかわらず、走っていなかったためアウトとなった。これにより懲罰で2軍に降格し、ここまでファームでプレーしていた。
それでも2軍では82試合に出場して62安打、11本のホームランを放ち、4番に定着をしていた。そして宮崎選手の離脱で緊急事態となった先週の広島戦で1軍に昇格し、その試合で代打で出場し、初球を振りぬいてレフトフライを打った。そしてリベンジの中日戦では1戦目で代打で登場し2ベースヒットを放つと、その後も2ベースヒットをもう1本打つ。これをみたラミレス監督は、この日の伊藤選手のスタメン起用を明言していた。
2本塁打
この日は左の小笠原慎之介投手の先発という事もあり、5番に座る伊藤選手の真価を見せるときだったが、第2打席までは凡退していた。しかし1-3の6回に小笠原投手のインコースの球を振りぬいて、詰まりながらのレフトスタンドの最前列に運ぶソロホームランで2-3と追い上げののろしを上げると、8回にはロドリゲス投手の151キロのインコースのストレートを、同じような場所に放り込んだ。今度は詰まっていたたらスタンドに運ぶことのできない球で、「気持ちよかったです。打ったときとスタンドに入ったときも歓声が凄かった。うれしかったです」と話した。
ポスト宮崎としては、これからまだまだ多くのことを経験し、技術を身に着けていく必要はあるが、宮崎選手の離脱という大きな危機をまずは救った。この2試合は、筒香選手が緊急でサードに入るという緊急事態、もし連敗していれば宮崎選手の穴を埋めるのは難しいという雰囲気が漂い、優勝争いから離脱する所だったが、その雰囲気を見事に断ち切った。
相手の強い球に対し、強いスイングで応えることができる選手。変化球などもうまく右へ打てる選手で、独特のコンタクトのセンスがある。セカンドの守備も無難にこなす事ができ、内野で主軸を担う選手になるのは間違いないだろう。
宮崎が左手有鉤(ゆうこう)骨骨折となり8日にプロ初昇格。9日に途中出場でプロ初安打を含む2本の二塁打をマークし、この日初の先発出場を勝ち取った。前夜「明日(10日)は本塁打に期待している」と話したラミレス監督も「本当に打って、それどころか2本。期待以上」と大喜び。1試合2発を1号から記録するのは球団の新人では60年ぶりで、初先発試合では史上初となった。
1-3の六回に滞空時間の長い飛球を左翼席に届かせプロ初本塁打。2-4の八回無死一塁では「あまり緊張したことがない」という強心臓ぶりを発揮し、ロドリゲスの151キロの直球を左翼席にたたき込んだ。2打席連発は「野球人生で初めて」。それをプロ初先発の舞台でやってのけた。
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