東北楽天は29日、ドラフト2位ルーキーの徳山一翔投手(23=環太平洋大)が28日に神奈川県内の病院で左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けたと発表した。試合復帰までには約1年を要する見込み。
石井GM「パフォーマンスは高い」来年をリハビリにあて、将来の飛躍に期待
徳山一翔投手は昨年、最速152キロの速球を投げる大学屈指の左腕投手と評価され、東北楽天のドラフト2位で指名された。ルーキーイヤーの今季はここまで1軍での登板はなく、ファームでは5試合に登板して1章2敗、防御率3.00という成績を残していたが、トミー・ジョン手術を受ける決断をした。
取材に応じた楽天の石井一久GMは、今回の手術の経緯について、「なかなか今年上がってこなかったので、パフォーマンス的にはそんなに低迷はしなかったけれど、やった方が100%の力で投げられるので、今のうちにやっておこうと」と説明し、ドラフト指名時から左肘への不安はあったことを明かした。
その上で、「それを踏まえて彼のパフォーマンスは高いので、来年をしっかりとリハビリにあてて、チームの中心選手になってほしいというところで行いました。このタイミングでできるのはプラスだと思います」と、将来を見据えての決断であることを強調した。
大学からプロ入りした投手では、2023年のドラフト会議で1位指名された草加勝投手(中日)、西舘昂汰投手(東京ヤクルト)、下村海翔投手(阪神)がプロ1年目までに相次いでトミー・ジョン手術を受けた。早くに手術をした草加投手は今シーズンにはファームで17イニングを投げており、先日のフレッシュオールスターでも1イニングを投げて力強い投球を見せていた。
徳山投手も左肘の故障を織り込み済みで指名をしており、1年目でのトミー・ジョン手術は想定されていたのではないかと思う。2024年ドラフト指名選手では福岡ソフトバンクの育成ドラフト5位・河野伸一朗投手も4月にトミー・ジョン手術を受けた他、育成7位の津嘉山憲志郎投手も高校時にトミー・ジョン手術を受けている。
今年のドラフト候補では、健大高崎の佐藤龍月投手が昨年の夏にトミー・ジョン手術を受け、今夏の群馬大会で復活登板をしている。今後も、肘の故障を抱えている投手について指名を回避するのではなく、手術を織り込んだ上で、2年から3年後に戦力にという事で指名するということも増えていくかもしれない。
徳山一翔投手 プロフィール
- 氏名:徳山 一翔(とくやま かずと)
- 生年月日:2002年4月11日
- 出身地:徳島県
- 経歴:海陽中学校(軟式野球部) – 鳴門渦潮高校 – 環太平洋大学 – 東北楽天ゴールデンイーグルス(2025年ドラフト2位)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:177cm・87kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:2025年7月28日に左肘のトミー・ジョン手術を受け、復帰まで約1年の見込み。今季ファームでは5試合に登板し1勝2敗、防御率3.00。環太平洋大学では1年春からリーグ戦にベンチ入りし、3度の明治神宮大会出場を経験。



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