佐々木朗希投手が初ブルペン、周りの目は気にならなかった

佐々木朗希

昨年のドラフト会議で4球団が1位指名をした佐々木朗希投手が、初ブルペンでその力を見せ始めた。

想像をはるかに超えていた

佐々木朗希投手はこの日、ブルペンに入ると捕手を立たせたまま25球を投げた。キャッチボールでも行っていたように、メジャーの練習のように5分間の中で素早いテンポで25球を投げたが、見る人にとって5分間というあっという間だが大きな衝撃を与えるブルペンとなった。

井口監督、吉井投手コーチ、チームメイト、評論家、ファンなどがブルペンを囲った中で投げられた投球は真っすぐだけ、威力十分だった。井口監督は「想像をはるかに超えていた。今年ブルペンを見た中で既にNO.1」と話し、「スピードもスピン量も違う。ダル、大谷と対戦したことはあるけど、スピン量が全く違う」と、球質の良さを特に評価した。これまでキャッチボールでもつきっきりだった吉井投手コーチも「あんな球を投げるやつ、見たことないです。驚いていたので、細かい所は見てないです」と話した。

受けた柿沼捕手は田村捕手とじゃんけんをして、勝って捕球をしたが、「体感で155キロぐらい出ていたんじゃないかと」と話し、後で見ていた田村捕手も「立ちで真っすぐだけやけど、既に千賀さんぐらい。目測ですが153、154キロくらい出ていたのでは」と話した。評論家からも肩甲骨周りの柔らかさ、下半身を意識したフォーム、など絶賛の嵐が巻き起こった。

それでも佐々木投手は「全然ダメでした。納得の球は一球もない」と話した。制球面で高めに抜ける球もありそれを気にしたが、キャッチボールで傾斜板を使って練習していたが、角度はしっかりあったと思う。昨年の春からもお尻周りは太くなっている。体つきも変わってきており、これからそれをアジャストしていく事があるが、徐々にやってほしい。

佐々木投手に本当に驚くのは実戦に入ってからだろう。ストレートは当たらないし、ストレートにようやく当たったとしても140キロのフォークや、スライダー、チェンジアップなどが待っている。手も足も出ない投球というのが佐々木投手にピタリとはまる。

正直、球速は追わず、スピンの良い球を147キロぐらいで投げ続けたほうがいいかなと思うが、たぶん試合では常時152キロくらいの投球をするのだろう。これまでもスピン量が多く、球質の良い球を投げた投手では、伊藤智仁、中里篤史などに圧倒されたが、短命に終わっている。佐々木投手には絶対にそうあってほしくないと心から思う。

その中で安心をしたのは、これだけ大勢の視線があったにもかかわらず、周りの目を気にせずに投げていたこと。隣で投げていた横山陸人投手は、「すごいシャッター音が気になった」と話したが、佐々木投手は「あまり気にならなかった」と話した。これからも、大勢の解説者やファンが押しかけ、佐々木投手の投球を望むと思うし、いろいろなことを”アドバイス”されると思うが、それを受けて流して自分の考え、ペースで投げていってほしい。この点は昨年夏の岩手大会決勝で、BSの全国中継も用意される中でも登板をさせなかった国保監督の強さを受け継いでいるようだ。

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真後ろから見た田村は「立ちで真っすぐだけやけど、既に千賀さんぐらい」と昨年9月にノーヒットノーランを食らったソフトバンクの絶対エースに姿をダブらせた。キャンプ中はあえて一度も投球練習を見なかった井口監督も初視察し「今年ブルペンを見た中で既にNo・1。自分の想像をはるかに超えていた。ダルビッシュや大谷とも対戦したが、全く違うタイプ。スピン量が凄い」と絶賛した。

吉井投手コーチは「あんな球を投げるやつ、見たことないです」とあっけにとられた。近鉄時代の1990年、野茂英雄氏がプロ初ブルペンに入った際と重ね「野茂を見たときだけは(自分は)負けたと思いました。野茂と阿波野さん(現中日投手コーチ)は衝撃的だった」と証言。日本ハムで指導したダルビッシュや大谷を飛び越え、世紀をまたいだインパクトがあったことを明かした。


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