昨年、吉村貢司郎投手が東京ヤクルトにドラフト1位指名された東芝は、今年は149キロサイドハンドの粂直輝投手が注目される。
その上を目指すため
粂直輝投手は明秀日立、帝京大でプレーして昨年春に東芝に入った。もともとはアンダーハンド投手だったが、高校2年時に「思い切って腕を上げてみた」とサイドスローに挑戦すると球速が140キロ近くまで速くなり、大学では140キロ中盤、そして今では149キロを記録する。
社会人1年目の昨年は、エース・吉村投手がいたが、その中で日本選手権で先発を任されるなど、信頼される投手となった。「社会人になると変化球には全く手を出してこず、直球を狙い打ちされた」と話し、「最初は壁にぶつかり、さらに上を目指していくには投球スタイルを変えないといけないと思い、今の考えにたどり着いた」という。大学では力強いストレートとスライダーで勝負する投手だったが、社会人では変化球の割合を増やし、フォーク、カーブ、ツーシームなどを投げる中で、強いストレートで勝負するようになった。
昨年10月のJABA伊勢・松阪大会でバイタルネット戦で先発すると、7回参考ながら完全試合を達成した。「この試合は変化球を見せ球にして直球で勝負できた」と話し、このスタイルでやっていけると自信をつけた。
エースだった吉村投手が抜け、今年は粂投手が投手の柱の役割となる。昨秋にヤクルトが日本シリーズに向けて調整を行う中で対戦をし、吉村投手が大きくアピールする内容を見せる中で、粂投手は村上選手に2ベースヒットを打たれた。
「社会人相手からは空振りを取れていた際どい直球が全てカットされ、最後は甘く入った変化球を持っていかれた。改めて空振りを奪える変化球がないと上では勝負できないと分かった」と話す。今年、また同じような場面を迎えることになったら、今度は抑えてプロに。強い思いを持っている。

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